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Web 2.0が“始まった”または“終わった”

Web 2.0」って言葉は、どうも定義がハッキリしなくて、僕自身は積極的に使う気になれなかった(日記内検索をしてみるとわかるよ)。定義が曖昧なことが悪い、ってわけではない -- その言葉に対して色々な人々が多様なイメージをふくらまし、議論を巻き起こし、それにより定義が明確化されたり、新たなアイディアや概念を生み出すかもしれないからね。

グータラな僕は、誰かWeb 2.0に洗練された定義を与えてくれまいか、と待っていたのだが、なんだかいつのまにか、巷<ちまた>に「Web 2.0」があふれ出した。活字媒体でもこの言葉を目にするようになった。「夕刊フジ」も「週刊ポスト」も「女性自身」も「CanCam」もWeb 2.0を取り上げるだろう(取り上げないかもしれないけど)。

このような状況を指して、「ブレークした」とか「キャズムを越えた」と表現してもよいだろう。あるいは、「終わった」、「死んだ」とか言っても実は大差なく、ほぼ同義だ。そう、何度も目にした風景だよね、これは。

もはや、技術的な定義をうんぬんするときではなくなったようだ、その意味ではこの言葉の役割は“終わった”のだろう。言葉の意味ではなくて、その効果が問題となる、つまりは、マーケティング・イッシューだね。Web 2.0の大衆化と消尽が“始まった”ってわけだ。

梅田さんの『ウェブ進化論』(ISBN:4480062858)は、ネット上での経験や実感に乏しい層にも、Web 2.0の高揚感を伝えるうえで大きな貢献があったけど、一方で、ネット上での経験や実感に乏しいままに、「Web 2.0」というレッテルを貼りまくり、御輿<みこし>をかつぎまくる人々を出現させる効果も十分あったみたい。

Web 2.0の曖昧性や多義性を認めてもなお、「それのどこがWeb 2.0やねん!」とツッコミたくなる事象に僕らは出会うことになるでしょうね、今後。つうか、既に僕の周辺でもそんな状況になりつつあるし… 「Web 2.0」は、弄<もてあそ>ばれ、消費され、遠からず拡散してしまうのだろう。既に、無闇と「ナントカ 2.0」と呼んでみたり、あげくに「3.0」にしちゃったりしてるから、「拡散してしまった」と過去形が適切かも知れない。まー、憤慨も落胆もしない。「あー、またか」との諦念あるのみ。

だがしかし、これは、必ずしも悪いことではない。浮かれた気分や夾雑物<きょうざつぶつ>が取り除かれた後で、Web 2.0の技術的エッセンスが析出される可能性はある。そのエッセンス(複数かも)を何と呼ぶかはわからないが、新しい言葉/概念に対して、(それに、また有象無象が群がることがないなら)今度は明確で有意義な定義と実質を与えることができるかもしれない。そうなることを僕は期待していますね。