二重圏の例としては、普通の圏から構成できる非常に簡単な例があったわ。Cが圏として、Cから二重圏Dを構成できます。二重圏Dの素材である D0, Dh1, Dv1, D2 は:
- D0 := Obj(C) = |C|
- Dh1 := Mor(C)
- Dv1 := Mor(C)
- D2 := Cの可換四角形の全体
Cの可換四角形とは、f:A→B, g:C→D, j:A→C, k:B→D をCの射だとして、次のような可換図式です。
f
A ---> B
j| |k
v v
C ---> D
g
この四角形をαとして、top, bottom, left, rightを次のように定義します。
- top(α) = (f:A→B)
- bottom(α) = (g:C→D)
- left(α) = (j:A→C)
- right(α) = (k:B→D)
もうひとつの可換四角形βがあって、top(β) = bottom(α) のとき、四角形を縦にくっつけたハシゴを作って外側の四角形をみると、それは再び可換四角形となります。この四角形が「αとβの縦結合」です。left(β) = right(α) のとき、縦の代わりに横にくっつければ、「αとβの横結合」が定義できます。
二重圏Dの構成要素である4つの圏は:
- Dh1 := C
- Dv1 := C
- D2h := 可換四角形の横結合の圏
- D2v := 可換四角形の縦結合の圏
細かいところをフォローすれば、立派な(?)二重圏の出来上がり。