去年の夏、「極小チームでbitbucketを利用するには」という記事を書きました。これは、2,3人でバージョン管理されたファイルを共有する手段に関するものです。
2,3人で何かする場合に、分散バージョン管理システムまでは要らないけど、ToDo項目やスケジュール、ファイルの在り処(URL)などを共有したいことがあります。この目的にメールでは不便過ぎるし、googleカレンダーでは日付・時間との紐付けが強過ぎます([追記]Googleカレンダーと連携できます。「Wunderlist その後どう?」参照[/追記])。なかなかウマい方法が見つかりませんでした。
最近、次の記事を読みました。
プロジェクト管理ツールBacklogに関する記事なのですが、この記事の最後にWunderlistについて言及されていて、僕は(Backlogより)Wunderlistに興味を引かれました。
内容:
- Wunderlistの紹介
- Wunderlistを使い始める
- URLの共有とタスク管理
Wunderlistの紹介
それで早速にWunderlistを使ってみました。WunderlistはToDo管理のアプリケーションです。類似品は山のようにあるだろうし、ToDo管理ならプログラミングの練習問題に作ったことがある、なんて方もいるでしょう。ToDo管理、その機能は分かり切ったものですが、Wunderlistの完成度の高さは相当なものです。現在のWunderlistは、Microsoft製品のようです。
Wunderlistは、次のようなマルチプラットフォームで利用可能です。このことは、https://www.wunderlist.com/ja/download/ で確認できます。
- ブラウザ上で実行できるWebペースアプリケーション
- スマートフォン(iPhone、 Android、Windows Phone)のアプリ
- タブレット端末(Android、iPad、Kindle Fire、Chromebook)のアプリ
- PC(Windows, Mac)のデスクトップアプリケーション
僕は、ブラウザ(ChromeとFirefox)、iPhone、Windowsで使っています。
どのデバイスでもユーザーインターフェースが変わらないのが良いですね。もちろん、OSのガイドラインやデバイス特性に起因する操作性の違いはありますが、ルック・アンド・フィールの共通性は高く、どのデバイスであっても出来る事/やる事は同じです。
Wunderlistを使い始める
僕の場合は、https://www.wunderlist.com/ja/ にブラウザでアクセスして、「無料アカウント作成」をしました。その後で、App StoreからiPhone版アプリをダウンロードしました。しかし、順番はどうでもよくて、最初にiPhoneアプリをダウンロードして起動してからアカウントを作成してもかまいません。なお、IDとなるメールアドレスには実際に使用しているメールアドレスを指定しましょう。そうでないと、通知機能などを十分に利用できません。
Wunderlistが扱う基本データはToDoアイテム(以下、単に「アイテム」と呼ぶ)です。次は、PC版Wunderlistからアイテムの画面ショットです。
そして、アイテムの集まりがリストです。リストはアイテムを分類して入れる容れ物です。アイテムは必ずどれかのリストに含まれます。「プライベート」「家族」「仕事」などの名前のリストが最初から準備してありますから、そのまま使い始めればいいでしょう。後から自由に変更できます。
必要があれば、フォルダを使ってリストをグルーピングできます。つまり、階層構造の要素を下から順に並べると:
- アイテム → リスト(必須) → フォルダ(必須ではない)
フォルダのなかにフォルダを作れないか? とやってみましたが出来ないようです。つまり、ファイルシステムのような任意のツリー構造まではサポートしていません。
メタファーとしては、カード(アイテム)をデッキ(リスト)にまとめて、必要なら箱(フォルダ)に入れて保存する感じでしょうか。
以上のことを頭に入れておけば、あとは試行錯誤しながらWunderlistの機能に慣れることができるでしょう。https://support.wunderlist.com/customer/ja/portal/articles のヘルプ/ドキュメンテーションも充実しています。
URLの共有とタスク管理
僕がやりたかった事はURLの共有です。Wunderlistに備わる次の機能を使えば目的が達成できそうに思えました。
- リストごとに他の人との共有を指定できる。
- アイテムのメモ欄にURLを貼ることができる。
- ブラウザの拡張機能により、Webページの情報をWunderlistのアイテムにできる。
共有したい相手のWunderlistアカウント(メールアドレス)を教えてもらって、共有指定のリストメンバーに追加します。これで、相手が承認すればそのリストを共有できます。共有されたリスト(に含まれるアイテム)に対しては、メンバーの誰もが自由に操作できます。
URLの共有には、アイテムのメモ欄に手描きでURLを書いてもかまいませんが、ブラウザの拡張機能を使うともっと簡単に出来ます。add-to-wunderlistという拡張機能を入手します。
- Chorome: https://chrome.google.com/webstore/detail/add-to-wunderlist/dmnddeddcgdllibmaodanoonljfdmooc?hl=ja
- Firefox: https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/add-to-wunderlist/
拡張機能をインストールすると、ボタンを押すだけで、Webページに関する情報がWunderlistアイテムとして生成されます。アイテムを共有リスト内に作れば、複数の人にURLを告知できます。URLではなくファイルそのものの共有も、ローカルファイルのアップロードやドロップボックス経由で可能です。
必要なら日付やリマインダーを添えてタスクに仕立てることも出来ます。そのURLのページをいついつまでに読んでおいて欲しいとか、そのURLの場所で待ち合わせしよう、といった内容が同報で伝達可能です。
タスクとしてのToDoアイテムは、「完了した/してない」の2状態しか持てません。優先順位も「スターのある/なし」だけです。このへんは、専用のタスク管理ツールと比べれば見劣りします。しかし、Wunderlistの機能でも十分なタスクはけっこうあるので、お手軽なタスク管理としての利用場面は多いと思います。