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参照用 記事

2016-01-01から1年間の記事一覧

オーバーロードは何故にかくも難しいのか:Haskellの成功と失敗

名前や記号の多義的使用をオーバーロードと呼びます。オーバーロードとは「曖昧な表現を使う」ことだ、と言ってもいいでしょう。曖昧さを嫌うコンピュータに、曖昧な表現を理解させるのは難しいことです。コンピュータに関する技術や理論以前に、「我々人間…

忠実ではない忘却関手と左右の随伴パートナー

忘却関手のハッキリした定義はありませんが、忘却関手は忠実関手であると想定されることが多いでしょう。しかし、忘却関手と呼ぶにふさわしそうでも、忠実ではない例もあります。Catを小さな圏の圏(射は関手)、Setを集合の圏とします。小さな圏Cに対象集合…

入門的ではない型クラスの話:Haskellの型クラスがぁ (´^`;)

タイトルに「入門的ではない」と入れたのは;先日の「関数型プログラミングとオブジェクト指向について、何か書く、かも」において、「型クラス入門」の記事を書くかもと予告じみたことを言ってしまったので、その入門じゃないぞ、と。でも、型クラスの話だ…

ウワーッ! 昭和だぁー

↓の映像がとんでもなく昭和臭い。顔、着てるもの、風景、所作まで昭和の匂いってあるんだなー。曲は、島谷ひとみさんのカバー(2002)で知っている人が多いでしょうが、この映像は1968当時のものでしょう。

関数型プログラミングとオブジェクト指向について、何か書く、かも

「「関数型プログラミングはオブジェクト指向の正当な後継」なの?」を書いていて次のようなことを思いました: テクノロジーに関する思索を語るのは推奨されるべき事だと思いますが、ベーシックな知識に裏打ちされてないと、解釈困難で意味不明になりがちで…

一般化されたマイヒル/ネロードの定理 3:オートマトンの振る舞いと観測

ソフトウェアの設計と実装では、サブシステムやコンポネントの内部構造を明かすべきではない、と考えられています。アプリケーションプログラムは、サブシステム/コンポネントの公式のインターフェイスにだけ依拠すべきだ、となります。それを守れば、サブ…

「関数型プログラミングはオブジェクト指向の正当な後継」なの?

オブジェクト指向を知っている人々に、「関数型もオブジェクト指向と大差ないよ、大丈夫だよ」とお誘いする記事は大いに存在意義があると思います。 関数型プログラミングはオブジェクト指向の正当な後継である 上記の記事は、そういう目的を持って書かれた…

「ミンナは間違っている」思考がなぜ生じるのか

一週間前に(悪い意味で)評判になったブログ記事: ケミカルフリーな暮らしと子育て術 自然派ママの新常識 2016年09月05日(月)「火傷はあたためる☆」 ちょっとした火傷だったら、キッチンのガス等で患部をあぶるっていいですよ。。 これはマズイ。真に受け…

一般化されたマイヒル/ネロードの定理 2:文化的なギャップを乗り越えるための対訳表

もともとのマイヒル/ネロードの定理は、形式言語理論のなかに位置付けられるものです。しかし僕は、プログラム意味論のなかでマイヒル/ネロードの定理を捉えています。一般化されたマイヒル/ネロードの定理は、プログラムの構文と意味に関して様々なこと…

一般化されたマイヒル/ネロードの定理 1:準備と事例

一般化されたマイヒル/ネロードの定理について「いつかキチンと書こう」と思いながら10年が経過してしまいました。「もっと一般化したい」「前提を減らしたい」「キレイにまとめたい」「高次元化したい」とかの希望はあるのですが、それを言っているとさら…

驚愕のバンビ達

リオ・オリンピックでは、日本の卓球が男女とも活躍しました。福原愛選手や伊藤美誠選手が幼少の頃からハードトレーニングで育成されたことはよく知られています。なので、卓球というのは早い時期から英才・神童達が活躍するもんなんかな? とナントナク思っ…

双模倣(bisimulation)

状態遷移系の同値性の定義として双模倣(bisimulation)があります。"bisimulation"と一単語だけでgoogle検索すると、血糊を付けた女の子達の歌ばっかりヒットするんですけど。最近じゃなくて2014年3月リリースの曲らしいです。 https://www.youtube.com/wat…

テンソル積の作り方 2: 双加群の場合、小さい圏の場合

昨日の「テンソル積の作り方」は、線形代数の復習という意味合いがもちろんありますが、別な目的もあります。色々なものに対してテンソル積を考えたいことがあるんです。なので、一般的なテンソル積のフレームワークがあれば便利だろうと思ったわけです。テ…

テンソル積の作り方

モノイド圏のモノイド積を“テンソル積”と呼ぶことがあります。この意味のテンソル積は最初から「在る」もので、「作る」ものではありません。では、最初はテンソル積がないのだけど、頑張って「作る」とき、どんな作り方をするのでしょうか?単に「作る」と…

あのサンプル画像の正体

画像処理のサンプルとして、次の女性の肖像がやたらに登場しますよね。もう定番です。[*1]この画像は、もっと大きな写真から顔の部分だけを切り出したものです。[*2]もとは、ヌードの全身写真です。ここに画像を挿入するのは憚られるので、リンクだけにして…

arXiv.orgのオルタナティブ!? viXra.org

viXra.orgという論文アーカイブサイトがあります。「ヴィクスラ」と発音するのかな? サイトの名前とデザインは、arXiv.orgを真似てるんだかパロってるんだか。実際、arXiv.orgのオルタナティブを標榜しています。http://vixra.org/why によると、arXiv.org…

モノイド圏の単位対象の定義について: これ難しいやん

(C, , I) をモノイド圏とします。α, λ, ρをそれぞれ、結合律子、左単位律子、右単位律子とします(律子(りつし)に関しては「律子からカタストロフへ」を参照してください)。λ, ρに関する等式的法則を書き並べてみます。ただし、αによる括弧の組み換えは省…

無料で入手できる本格的(紙なら高額)な微分幾何の専門書4選

「コンピュータ科学や組み合わせ論を“微分幾何”とみなす:CADGの夢」に関連して微分幾何について調べていたとき、商業出版物(紙の書籍)と同等なPDFをみつけました。「無料で入手できる本格的(紙なら高額)な理数系専門書15選」への追加として、4点の書籍…

パワーアップ・モナド工場の秘密

モノイドからモナドを作る話は: モノイドからモナドを作る 単一代入のモノイド、スタンピングモナド、モナド工場 C = (C, , I) をモノイド圏として、C内のモノイドの圏を Monoid(C)、C上のモナドの圏を Monad(C) とすると、Monoid(C)→Monad(C) という関手が…

コンピュータ科学や組み合わせ論を“微分幾何”とみなす:CADGの夢

『シン・ゴジラ』は僕のツボにはまったんですよね。コワ面白かった! 最近、もうひとつ「これは面白い!」と思っていることがあります。微分幾何の応用の話です。多くの人が「応用」という言葉から連想する内容とはちょっと違います。微分幾何を換骨奪胎して…

『シン・ゴジラ』を観た

映画『シン・ゴジラ』を観ました。僕が感じたことは2つ。 これは怖い。 (他人事ながらも)ほっとした。 ネタバレは、たぶんありません。つうか、あらすじ書いたりするの面倒だからヤラン。まず、「(他人事ながらも)ほっとした」話。これはね、監督・特技…

又吉イエスさんによる大川隆法批判

「今回は出馬しないのかな」で引用した又吉イエスさんの大川隆法批判(動画): https://www.youtube.com/watch?v=_7Wd8Iy_12U とても面白い意見なので冒頭部分(この部分だけで十分)を文字起こししました。「天地を創造された地球至高神は大川隆法・総裁先…

ツリー書き換え系とマックレーンの一貫性定理

モノイド圏に対するマックレーンの一貫性定理(Mac Lane's coherence theorem for monoidal categories)は有名なんですが、それが主張する内容を把握しづらい定理です。同値な内容を様々な形で述べることができます。ここでは、ツリー書き換え系との関係で…

教養としてのC言語プログラミング入門は成立するのか

比較的に短い期間のなかで、プログラミングの基本的なことを勉強する(させる)とき、どんな話題や課題を選ぶべきでしょうか?ここでの「基本的」とは、「将来、もっと発展的なことを学ぶための土台を作る」という意味ではありません。「入門者でも手が届く…

今回は出馬しないのかな

http://anond.hatelabo.jp/20160724095709 開催中のライブネタバレ記事を書くブロガーらは腹を切って死ぬべきだ。(以下略) この文体は又吉イエスさん・インスパイア系ですね。その又吉イエスさんは今回の都知事選には出てないようです*1。体調の問題でもある…

モノイド自然変換とモノイド同値関手

ジョン・バエズ(John C. Baez)が2010年に書いた短いノートに Some Definitions Everyone Should Know というのがあります。このEveryoneって誰だよ? という気もしますが、まーともかく「誰でも」知っておくべき事として13個の定義が挙げられています。1番…

自然演繹の再構築への道

5日前の記事「自然演繹はちっとも自然じゃない -- 圏論による再考」において、次のように書きました。 自然演繹に対する再考は出来たと思います。でも、再構築には至っていません。 ...[snip]... いずれ別記事としてストリング図と多圏を準備した上で、自然…

自然演繹はちっとも自然じゃない -- 圏論による再考

自然演繹は、その名の通りに「自然で分かりやすい」と言われたりします。僕は、そうは思いません。むしろ「不自然で分かりにくい」と感じます。導入規則と除去規則のあいだに綺麗な対称性がある、と言う人がいます。僕にはどこが綺麗か分かりません。無理ク…

論理におけるさまざまな「矢印」達

論理では、矢印または矢印類似の記号がたくさん出てきます。それらの矢印記号に関連する名前や動詞もたくさんたくさんあります。記号と呼び名・動詞を表にまとめてみました。ただし、この表にはたいした根拠はありません。誰も根拠など持ってないと言ってい…

この広告怖いよ

みずほ銀行のシステム統合がヤバイよ、という記事を読んでいたら、出てくる広告がコレ↓ シュールというかホラーというか、不気味すぎてゾワゾワしてしまうんですけど(記事内容との相乗効果ありで)。[追記]みずほ銀行の件は、まとめがあります。ここから色…