このブログの更新は Twitterアカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama

メールでのご連絡は hiyama{at}chimaira{dot}org まで。

はじめてのメールはスパムと判定されることがあります。最初は、信頼されているドメインから差し障りのない文面を送っていただけると、スパムと判定されにくいと思います。

参照用 記事

モノイド圏から作る複圏と多圏

モノイド圏があると、それから複圏と多圏が作れます。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\In}{\text{ in } } \newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}} \newcommand{\Lis}[1]{\langle {#1} \rangle} \newcommand{\MComp}[1]{ \mathop{;_{#1}} } \n…

開放ツリー: 半グラフ・ベースのツリー

半グラフは、グラフの拡張概念で、辺の両端に頂点があることを要求しません。片側しか頂点がない辺、頂点と接続してない辺も認めます。ツリーは、グラフのなかでも特によく使われるものです。ツリーを半グラフ・ベースで考えたらどうなるでしょうか? グラフ…

複余有向コンテナ〈オペラッドコンテナ〉によるオペラッドの定義

アーマン/チャップマン/ウウスタル〈Danel Ahman, James Chapman, Tarmo Uustalu〉による有向コンテナは、圏と同値な構造です。コンテナをベースにした定義であることから幾つかのメリットがあります。有向コンテナの“ある種の双対”をとった余有向コンテナ…

ハイパーグラフが要らない理由

「ハイパーグラフって要らないよなー」と、なんとなく思っていました。なんで要らないのだろう? と考えてみました。ハイパーグラフを、なんらかの事物・概念を表す描画法と捉えたとき、もっと有能で使い勝手がいい描画法があるので要らない、ってことです。…

複グラフが定義するモノイド多項式関手

有向グラフであって、有向辺のソースとして“複数の頂点のリスト”を許す構造が複グラフ〈multigraph〉です。複グラフがあると、それからある種の多項式関手を定義できます。その多項式関手は、複グラフの頂点集合をインデキシング集合としてモノイド圏に値を…

コステロの半グラフ圏から二重関手意味論へ

直前の記事「コステロの半グラフ圏によるシステム記述」で使用したコステロの半グラフ圏はホントに使い勝手が良いです。半グラフ圏の部分圏をとったり、半グラフ圏の変種を考えることにより、色々な応用ができます。しかし、その定義にやや曖昧なところもあ…

コステロの半グラフ圏によるシステム記述

2ヶ月半ほど前に「半グラフからシステムの記述へ」という記事を書きました。半グラフ(関連記事へのリンクは「スケマティック系のハブ記事 // 半グラフ」)は、ワイヤーに向きがないワイヤリング図/ストリング図だと思ってかまいません。無向ワイヤリング図…

スケマティック系のハブ記事

この記事には内容的な記述はありません。スケマティック系関連の記事へのリンク集となります。スケマティック系の概略と目的は、「スケマティック系のために: 雑多な予備知識 // 絵図的手法とスケマティック系」に書いています。 スケマティック系 半グラフ…

亜群をベースとする圏類似構造: コステロの事例

ケビン・コステロが定義した“グラフの圏”は、実際には圏になってません。しかし、ほとんど圏と同様に扱えますし、役に立ちます。射の結合可能性条件を等式から同型に緩めた事例として興味深く示唆に富みます。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcomma…

集合の操作と基数の性質

集合論で許されるありとあらゆる集合の集まりを $`\mathbb{V}`$ と書くことにします。$`\mathbb{V}`$ は集合ではないし、その外を考えることは許されないので、集合達の絶対的大宇宙と言えます。$`\mathbb{V}`$ は集合ではないので、集合のように扱うことは…

亜群上の豊穣複グラフ: 豊穣化・基礎強化の例

圏の概念を一般化する方法として、豊穣化と内部化があります。例えば、圏達の圏で豊穣化した豊穣圏は厳密2-圏です。圏達の圏に内部化した内部圏は二重圏です。豊穣化ではホムセットが集合以外のモノになり、内部化では対象集合/射集合が集合以外のモノにな…

ローヴェア・セオリーとその周辺

ローヴェア〈William Lawvere〉は、彼の学位論文で「セオリー」という概念を導入しました。現在、ローヴェアのセオリーに対する色々な呼び名がありますが(「用語のバリエーション記述のための正規表現 // ウンザリする例」参照)、ここではローヴェア・セオ…

オペラッドの話

「オペラッド〈operad〉」という言葉は非常によく使われるのですが、僕は「オペラッド」の同義語として「複圏〈multicategory〉」を好んで使っていました。その理由は、「圏〈category〉 → 複圏〈multicategory〉 → 多圏〈polycategory〉」というきれいな拡…

圏スタンピング・モナドの代数は前層/余前層

「左加群は前層、右加群は余前層、双加群はプロ関手」の続きです。余前層としての右加群(または前層としての左加群)が、ファミリー〈集合族〉の圏上のモナドのアイレンベルク/ムーア代数になってるよ、という話です。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}…

続・有向コンテナと多項式コモナド: 錯綜整理

「有向コンテナと多項式コモナド」にて: モノイド類似構造である有向コンテナ〈圏〉構造が、多項式自己関手を台とするコモノイド構造として反映されるわけです。面白いですね。 面白そうなので、アーマン/ウウスタル〈Danel Ahman, Tarmo Uustalu〉以外の…

Diag構成の変種とその書き方

ある文脈では、図式と関手は同義語です。したがって、(ある文脈では)図式の圏とは関手圏のことです。図式の圏〈category of diagrams〉といった場合は、単一の関手圏ではなくて、域が異なる関手も含みます。つまり、図式の圏は、域に関してヘテロジニアス…

分かりにくさへの対処

「有向コンテナと多項式コモナド」の続きの話をしたいわけですが、まずは、コンテナ/多項式界隈の、概念・用語・記法のしっちゃかめっちゃかを整理するところから書き始めました。そしたら、一般論がだいぶ長くなってしまいました。一般論の部分を別記事に…

有向コンテナと多項式コモナド

コンテナ〈container〉は、アーボット/アルテンキルヒ/ガニ〈Michael Abbott, Thorsten Altenkirch, Neil Ghani〉等によって導入された、型理論と圏論に関わる概念です(「圏論的コンテナ」参照)。有向コンテナ〈directed container〉は、コンテナにモノ…

左加群は前層、右加群は余前層、双加群はプロ関手

プロ関手〈profunctor〉は、分布子〈distributor〉、双加群〈bimodule〉とも呼びます。関数〈function〉の一般化が distribution〈シュワルツ超関数〉だから、関手〈functor〉の一般化は distributor だろう、ということらしいです。"distribution" は意訳さ…

右カン拡張の eval は run

またダジャレです。「それでもカン拡張の左右を忘れてしまう」において、左右を憶えるために次のような随伴トリプルを出しました。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}} \newcommand{\hyp}{\text{-} } \newcommand{\two…

圏の骨格の扱い方: 線形代数を例として

スケマティック系(「スケマティック系のために: 雑多な予備知識 // 絵図的手法とスケマティック系」参照)に関連して、圏の骨格を扱う必要があるのですが、意外とめんどくさい。一番典型的だと思われる、有限次元ベクトル空間の圏の骨格を事例として、圏の…

テンソルの計算法則の絵(ストリング図)

ここで言うテンソルは、圏論的に言えば、モノイド圏やトレース付きモノイド圏の射のことです。幾つかのインデックス〈添字〉が付いた配列みたいなモノと思ってもいいです。絵に描くと、脚〈legs〉が出た“テンソルボックス”達をワイヤーで繋いだ図形になりま…

コレクション改めクラスターの圏

「コレクション、対称性、シーケンス、色付け」において、構造(例えば全順序構造)が載った有限集合を「コレクション」と呼びました。データ構造としてのコレクションはそういったものなのでまー妥当だろう、と。しかし、コレクション〈collection〉は他の…

Diag構成: 圏論的構成法の包括的フレームワークとして

「スケマティック系のために: 雑多な予備知識 // Diag構成」でDiag構成について述べました。Diag構成を特殊化すると既存の色々な構成法になるので、Diag構成は、様々な構成法を包括的に扱うフレームワークとなります。また、「一般化されたファミリーの圏」…

多項式関手とその表現図

集合圏における多項式関手の定義に、次の図式(多項式関手の表現図〈representing diagram〉)が登場します。$`\quad\xymatrix{ I & B \ar[l]_{s} \ar[r]^{p} & A \ar[r]^{t} & J }\text{ in }{\bf Set}`$なんでこれが多項式関手の定義なんだ? と思います。…

群の作用がナントカ -- おぼえられない

「群の作用がナントカ(形容詞)」という文言にたまに出会います。毎回意味を調べるのですが、憶えられない。毎回忘れる。https://mathworld.wolfram.com/ で調べてみます。$`\newcommand{\Imp}{ \Rightarrow }\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}`$ 自由〈fr…

人名の発音: Girard, Guiraud, Giraud

2009年に書いた記事: ジラーとギロー そこで話題にしたのは、 線形論理の創始者である Jean-Yves Girard 高次元の証明論をやっている Yves Guiraud 同一人物かと思ったが別人で、名前の読み(カタカナ表記)は「ジラー」「ギロー」がよいかな、と。そんなこ…

複雑な定義の構文構造

以下のナタニエル・アーカーとディラン・マクダルメットの論文に、カン拡張と同様な、“左または右”の“拡張または持ち上げ”(正規表現で書くなら {左 | 右}{拡張 | 持ち上げ})の定義が出てきます。 [AM23] Title: The formal theory of relative moanads Aut…

バエズ/ドーラン・ツリー: 幾何的な定式化

バエズ/ドーラン・ツリーは、視覚化可能な組み合わせ構造で、その定義は純組み合わせ的〈purely combinatorial〉であるのが望ましいのです。しかし、純組み合わせ的な定義や説明は面倒で分かりやすくありません。幾何的定義を併用したほうが直感的な理解が…

データベース:: 記法と用語のまとめ

シリーズ・ハブ記事: データベース:: テーブルのキーって何なのよ? 以下の3つの過去記事で定義した/使った記法と用語をまとめておきます。 データベース:: テーブルのキーって何なのよ? データベース:: テーブル構造とデータベース構造 データベース:: …