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参照用 記事

テンソルの計算法則の絵(ストリング図)

ここで言うテンソルは、圏論的に言えば、モノイド圏やトレース付きモノイド圏の射のことです。幾つかのインデックス〈添字〉が付いた配列みたいなモノと思ってもいいです。絵に描くと、脚〈legs〉が出た“テンソルボックス”達をワイヤーで繋いだ図形になりま…

コレクション改めクラスターの圏

「コレクション、対称性、シーケンス、色付け」において、構造(例えば全順序構造)が載った有限集合を「コレクション」と呼びました。データ構造としてのコレクションはそういったものなのでまー妥当だろう、と。しかし、コレクション〈collection〉は他の…

Diag構成: 圏論的構成法の包括的フレームワークとして

「スケマティック系のために: 雑多な予備知識 // Diag構成」でDiag構成について述べました。Diag構成を特殊化すると既存の色々な構成法になるので、Diag構成は、様々な構成法を包括的に扱うフレームワークとなります。また、「一般化されたファミリーの圏」…

多項式関手とその表現図

集合圏における多項式関手の定義に、次の図式(多項式関手の表現図〈representing diagram〉)が登場します。$`\quad\xymatrix{ I & B \ar[l]_{s} \ar[r]^{p} & A \ar[r]^{t} & J }\text{ in }{\bf Set}`$なんでこれが多項式関手の定義なんだ? と思います。…

群の作用がナントカ -- おぼえられない

「群の作用がナントカ(形容詞)」という文言にたまに出会います。毎回意味を調べるのですが、憶えられない。毎回忘れる。https://mathworld.wolfram.com/ で調べてみます。$`\newcommand{\Imp}{ \Rightarrow }\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}`$ 自由〈fr…

人名の発音: Girard, Guiraud, Giraud

2009年に書いた記事: ジラーとギロー そこで話題にしたのは、 線形論理の創始者である Jean-Yves Girard 高次元の証明論をやっている Yves Guiraud 同一人物かと思ったが別人で、名前の読み(カタカナ表記)は「ジラー」「ギロー」がよいかな、と。そんなこ…

複雑な定義の構文構造

以下のナタニエル・アーカーとディラン・マクダルメットの論文に、カン拡張と同様な、“左または右”の“拡張または持ち上げ”(正規表現で書くなら {左 | 右}{拡張 | 持ち上げ})の定義が出てきます。 [AM23] Title: The formal theory of relative moanads Aut…

バエズ/ドーラン・ツリー: 幾何的な定式化

バエズ/ドーラン・ツリーは、視覚化可能な組み合わせ構造で、その定義は純組み合わせ的〈purely combinatorial〉であるのが望ましいのです。しかし、純組み合わせ的な定義や説明は面倒で分かりやすくありません。幾何的定義を併用したほうが直感的な理解が…

データベース:: 記法と用語のまとめ

シリーズ・ハブ記事: データベース:: テーブルのキーって何なのよ? 以下の3つの過去記事で定義した/使った記法と用語をまとめておきます。 データベース:: テーブルのキーって何なのよ? データベース:: テーブル構造とデータベース構造 データベース:: …

スケマティック系とその回路代数のネーミング

「スケマティック系のために: 雑多な予備知識」から: スケマティック系〈schematic system〉は、絵図的手法を支える素材、道具、機器〈マシナリー〉一式を含んだシステムです。スケマティック系のハッキリとした定義はまだないです。が、スケマティック系…

穴、スポット、エリア、シーム

ストリング図はボックス&ワイヤー図とも呼ばれます。「ボックス」の意味はちょっと曖昧です。「バエズ/ドーラン・ツリー: 色々な描画法」で、かなりクリアになったと思います。「注意点のまとめ」に曖昧性についても書いてあります。ストリング図の「ボッ…

バエズ/ドーラン・ツリー: 色々な描画法

バエズ/ドーラン・ツリー〈Baez-Dolan tree〉は、オフィシャルには組み合わせ的構造です、視覚化のために3次元または2次元の空間のなかに描き出し〈レンダリングし〉ます。3次元空間内に、幹や枝がパイプになっているツリーとして描くことが標準的描画法で…

米田埋め込み: 上付きの星と下付きの星

小ネタです。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}}\newcommand{\hyp}{\text{-} }`$ 「米田テンソル計算 3: 米田の「よ」、米田の星、ディラックのブラケット 再論 // 米田の星と米田埋め込み」で次のように書きました。…

バエズ/ドーラン植物

絵図的手法とは、視覚化可能な組み合わせ構造〈visualizable combinatorial structure〉を使って代数系や現実のシステムを記述・計算する方法・技術です。視覚化可能な組み合わせ構造の重要な種別として半グラフ〈semi-graph〉があります。半グラフは1次元の…

コレクション、対称性、シーケンス、色付け

ストリング図を描く際に、ボックス〈ノード〉は基本的かつ重要な描画要素です。絵に描いたボックスに対応する組み合わせ構造はいったい何なのでしょう? ボックスは、色付きコレクションの視覚化なのだとみなすのが良さそうです。なので、この記事では色付き…

変換手2-圏の代数構造とストリング図表現

すべての小さい2-圏(厳密2-圏とは限らない)達を対象とする3-圏 $`{\bf 2Cat}`$ があります。$`\mathcal{K}, \mathcal{L} \in |{\bf 2Cat}|`$ のとき、ホム2-圏 $`{\bf 2Cat}(\mathcal{K}, \mathcal{L})`$ が構成できます。ホム2-圏のk-射を(2, k)-変換手〈…

生の2-関手と生の2-自然変換

一応書き終わってはいるのですがまだ投稿してないブログ記事があります。そのなかで、ちゃんと定義するのがめんどうなので雰囲気的な説明だけした上で、“生〈なま〉の2-関手”と“生〈なま〉の2-自然変換”という言葉を使っています。気持ちとしては、「料理の…

スケマティック系のために: 雑多な予備知識

スケマティック系〈schematic system〉というものを考えているのですが、そのために(たぶん)必要なことを順不同で書いていきます。ひとつの節でひとつのトピックを扱います。節から節へ、ゆるい流れはありますが、節と節とのあいだに強い関係性はないです…

ファミリーの圏とシグマ関手・パイ関手

この記事内では、「型」と「集合」は同義語です。つまり、sets-as-types の立場をとります*1。集合〈型〉のファミリー〈族〉があったとき、それからシグマ型とパイ型を構成できます。この構成は、次のような写像を与えます。$`\quad \sum, \prod: |{\bf Fam}…

「代数」への三種のアプローチと回路代数

「代数」は色々な意味で使われる曖昧多義語です。代数学という数学の分野を「代数」と呼ぶことがあります。掛け算を持つベクトル空間(より一般には加群)を「代数」と呼ぶこともあります。ここでの「代数」は、特定の代数系(例えば群とか環とか)ではなく…

色彩的抽象テンソルシステムと圏類似代数系

「抽象テンソルシステムは縮約付き色彩的モノイド・スピシーズ」において、キッシンジャー〈Aleks Kissinger〉の抽象テンソルシステムを、色パレットとスピシーズを用いて再定義しました。再定義された抽象テンソルシステムは、色概念を導入しているので色彩…

抽象テンソルシステムは縮約付き色彩的モノイド・スピシーズ

アーレクス・キッシンジャー〈Aleks Kissinger〉の抽象テンソルシステムは、テンソル計算の手順的側面の抽象化として便利です。が、ラベル集合とリラベリング写像の扱いがイマイチな感じがします。アンドレ・ジョイアル〈André Joyal〉のスピシーズ〈組み合…

回路代数とグラフ置換モナド

「絵図的手法: 中間整理」を書いた後で、つまり昨日、ダンクソ/ハラーチェバ/ロバーツォンの次の論文を見つけてザッと眺めてみました。 [DHR20] Title: Circuit algebras are wheeled props Authors: Zsuzsanna Dancso, Iva Halacheva, Marcy Robertson S…

絵図的手法: 中間整理

以下は、最近書いた記事のリスト(並びは日付順)です。内容は、絵図的〈pictorial | graphical | diagrammatic〉手法に関するものです。 テンソルの可視化のための半グラフ 型付き半グラフと指標 半グラフからシステムの記述へ 入れ子の半グラフとバエズ/…

王OKさんは実在するのか?

「別にどっちだっていいじゃないか」と言われれば、まー、そうなんですけど。現時点では実在しそうだと思ってますが、最初見たのはこの動画: golden hour -JVKE (王OK cover) 2022/11/23 姿かたちが人工的。100%生成したものじゃないにしろ、例えば、モーシ…

スケマティック圏: お絵描きできる場所

「半グラフからシステムの記述へ」においてスケマティック圏という概念を述べました。しかし、ハッキリした定義を提示したわけではなくて、曖昧に導入しています。 スケマティック圏〈schematic category〉は、特定の圏の固有名ではなくて、圏の種類です。公…

不動点なし対合のオペラッド結合

この記事は、後で書く予定の記事から参照されることを意図しています。2つの不動点なし対合に対して、ある種の結合(オペラッド結合と呼ぶのですが)を定義して、それが再び不動点なし対合になることを示します。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newco…

入れ子の半グラフとバエズ/ドーラン・ツリー

階層的なシステムの絵図的〈pictorial | graphical | diagrammatic〉記述として入れ子の半グラフがあります。入れ子の半グラフについては、「半グラフからシステムの記述へ」で述べました。入れ子の半グラフと概念的には同じですが、別な描画法としてバエズ…

半グラフからシステムの記述へ

次の2つの過去記事で半グラフ/型付き半グラフについて述べました。 テンソルの可視化のための半グラフ 型付き半グラフと指標 半グラフ/型付き半グラフの使いみちとして、システムの記述があります。システムは階層的に構成されることがあります。階層的な…

ベクトル空間の部分空間のジョイン・ミート・和

小ネタ。$`V`$ をベクトル空間として、$`A, B`$ は $`V`$ の部分空間〈部分ベクトル空間〉だとします。そのとき、$`\quad A + B = V \Leftrightarrow A \oplus B \cong V`$という話をします。ここで、$`\oplus`$ はベクトル空間の直和です。$`+`$ は後で説明…