(2005-04-28の続き)
『ルンペン学入門』はかれこれ30年前の本、入手は困難でしょう。僕の手元にもないし、記憶があやしいのだけど、ピンクの表紙で、帯には確か「いま、自由だ」と。
副題(放浪の詩)や帯の文句(いま、自由だ)からも推察できるように、林光一さんの精神の根底には、ルンペン生活に対する肯定的な認識があったような気がします。悲惨な現実も確かに記されていたのですが、どこかロマンチックなんですよ。
「ゴミ捨て場周辺を掃除するみかえりに、良質な残飯をもらう」とか、「靴は手に入りやすい」とか、そういう実用的なノウハウも書いてありました(入門書だからね)。この本を読んでルンペン生活またはルンペン学を志す人が出てもおかしくはない、と、そういう印象がありますね。
(続く)