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参照用 記事

ソフトウェア工学(3):ちょっと強引だったかも、orionaeさん

orionaeさんの立場は、現在の僕の立場に近い面もあり、心情的にはよく理解できます。が、naoyaさんの“無邪気すぎる”言葉使いを挑発的と受け取ったのでしょうか? どうも議論に無理があります(後で一部訂正をなさっていますが)。

言語は関係ないというのは、ある意味正しいです。

とは、naoyaさんの、

プログラミング言語がどれも一緒だなんていうことは間違っている

を受けての物言いだと思いますが、

その特性である静的型付けかとかコンパイルが必要かとか、作業に手間がかかるかなんてことはさらに目的とは関係ありません。(もちろんまったく無いとは言えませんが、それも目的によるでしょう)

って、これはいくらなんでもムリムリ。

かつての発見的手法の実践には、対話的環境を持ち、明示的な型宣言を要求しない言語が採用されたのは偶然ではありません。このような言語特性が、開発効率に本質的な影響を与えると信じるべき根拠があります。

そもそもorionaeさんは、一パラグラフ前で次のように述べています。

どんな言語もそれぞれ相違があるのは当然として、向き不向きがあるからです。…… 目的に応じて言語を選ぶべきです。

ハイ、そのとおり。これって、naoyaさんと同様な意見 -- 言語は環境と用途により適切に選択すべし、ってことですよね。

それと:

ソフトウェア開発者の責任は、ほかのあらゆる製造業となんら変わりません。

この言明(の言葉使い)も誤解を助長する懸念があって感心しません(言いたいことは分かるし、正当な主張だけど)。

ソフトウェア産業は、自動車や冷蔵庫を作るような意味での「製造業」ではないのです。かつてのソフトウェア工学が陥った過ち(完全な過ちとは断定できませんが)のひとつは、ソフトウェアを物体として存在する工業製品とのアナロジーで取り扱おうとしたことでしょう。ソフトウェアは人類が最近はじめて出会った、新しいタイプの存在物で、自動車や冷蔵庫と同種ではなかったようです。

(続く)