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母から荷物が届いて

僕の父は、ふだんはズボラだが梱包・荷造りはやたらに几帳面だった。「なにもここまでしなくても」と思えるほどにキッチリと詰める。が、その父はもういない。

対照的に母は、そういうことは苦手だ。が、今は自分でやるしかない。昨日、荷物が送られてきたが、ビニール袋に適当に入れたモノを段ボール箱に放り込んだだけ。その中身が巨峰だった。受け取りが1日伸びたこともあって、ブドウの汁が箱中に散って染み渡っていた。一緒に入っていたのがタマネギと梅干し! 悪くなり始めたブドウとあいまって、箱を空けると壮絶な匂いがした。

箱ごと捨ててしまおうか、と思うほど。だが、不得意な作業をしてまで送ってくれたものだ。洗ったり選り分けたりして、なんとか整理。匂いは扇風機で追い払ったが、なかなか抜けない。

しかし、ここまで不手際なのは苦手なせいばかりではあるまい。なにしろ、80を過ぎているからなー。孫への小遣いも入れてくれたけど、お札まで紫色の染みがついていた。そっときれいな札と交換して、子供達に手渡すとき、なんか僕は泣きそうだったよ。

ところで僕は、基本的にズボラなのは父に似て、荷造りでも何でも不器用なのは母と同じ。あー、ろくでもないヤツだ。