このブログの更新は Twitterアカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama

メールでのご連絡は hiyama{at}chimaira{dot}org まで。

はじめてのメールはスパムと判定されることがあります。最初は、信頼されているドメインから差し障りのない文面を送っていただけると、スパムと判定されにくいと思います。

参照用 記事

言葉の話(1):キュウリ、きゅうり、胡瓜

女のウルトラマンはいるか?」とか「ウンチとオナラのどっちが好き?」とか、わけの分からない質問ばかりする長男だが、珍しくまともな質問:

お野菜の「なす」や「きゅうり」は、ひらがなで書くの、カタカナで書くの?

「動植物の名前は原則として片仮名書き」だろうとは思ったが、多少あいまいに答えて後で調べてみることにした。

以前、編集に近い仕事を多少していたので、“用語/表記の手引き”のたぐいを何冊か持っているが、あまり明確な記述がない。『’05-’06年版 朝日新聞の用語の手引』によると、「漢字表の範囲内で書けない動植物名」は片仮名で書く、とある。具体例として「キリン、ワニ、ワシ、タカ、ブリ、ユリ、ニンジン、キュウリ、ネギ」が挙げられている。これでとりあえずお野菜は片仮名書きが推奨であることはわかる。

記者ハンドブック -新聞用字用語集 第10版-』だと、動植物に「キノコも含む」とか蛇足な注釈が付いていて、「『イセエビ』は『伊勢エビ』でもよいが、『サツマイモ』は『薩摩イモ』とは書かない」とか細かいことまで書いてある。だが、例は網羅的ではないし、明白なルールが示されているわけでもない。

なにしろ言葉の使用法だから、網羅的列挙も明白なルールも無理な話ではある。「イヌ、ネコ」より「犬、猫」のほうが(少なくとも僕には)自然だし、「チョウセンニンジン」は「朝鮮人参」と漢字で書いてないと効き目がなさそうだ。「星座の名前は原則として平仮名」とかいうルールもあるので、そうなると「コグマ座」ではなくて「こぐま座」なのだろう。

「原則はあるけれど、それが絶対ではないし、強く拘<こだわ>るべきでもない」ということを子供に伝えたいのだけど、「キュウリ」より「きゅうり」/「胡瓜」がふさわしいケースは思いつかないな -- この例で説明するのは断念だ。