あなたのブラウザで、次の行はどう見えますか。
夥 しい数のWebページ
これ、ルビ(ふりがな)タグを使っています。マークアップは次のとおり。
<ruby>
<rb>夥</rb>
<rp>(</rp><rt>おびただ</rt><rp>)</rp>
</ruby>
しい数のWebページ
IE6では期待通りの表示(ふりがなの「おびただ」が「夥」の上に乗る)が得られます。FireFoxはダメでした、次のような表示です。
夥(おびただ)しい数のWebページ
(マークアップ・サンプルは見やすくするために、改行とインデントを入れてますが、はてな記法と一緒に使うときは改行入れちゃダメですよ。<p>が付いてしまいますから。)
rpタグ
W3Cの"Ruby Annotation"勧告(http://www.w3.org/TR/2001/REC-ruby-20010531/)の用語では、「夥」がruby base、「おびただ」がruby textですが、ここでは、親文字列、ルビ文字列も使います。
で、基本的なマークアップは次のとおりです:
<ruby>
<rb>親文字列(ruby base)</rb>
<rt>ルビ文字列(ruby text)</rt>
</ruby>
しかし、これだと、ルビ・マークアップを解釈できないブラウザでは、タグがすべて無視されて、親文字の直後にいきなりルビ文字が表示されてしまいます。それを避けるため、rp(ruby parentheses*1)タグがあります。ルビを解釈できるブラウザはrpの内部を表示しないので、余分な括弧は表示されず、ルビ未対応ブラウザでは、「夥(おびただ)しい数のWebページ
」のような、それなりの表示になります。
あのいい話はどうなったの?
随分以前のことですが、マークアップではなくて、Unicodeのレベルでルビをサポートするような話がありました。これに、rpタグのような機能が欠けていて、そりゃマズイだろうとなりました(根本的な発想がマズイのだけどさ)。そのとき、アップル(当時、今も?)の木田さんが考えた例が非常に印象的で今でも憶えてます。
「いい話だ。」の「話」にルビを付けます。マークアップで書くなら:
いい
<ruby>
<rb>話</rb>
<rt>はなし</rt>
</ruby>
だ。
これを、ルビを解釈できないブラウザで表示すれば:
いい話はなしだ。
エーン、あの話なくなってしまったのぉ、残念。
というわけで、rp相当の機能がないとエライことになりますよ、ってことね。
ルビに関する話題がもう少しあるんだけど、またにします。
*1:rpが何の略記か明白な記述がないのだけど、pはparenthesesでしょう。