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参照用 記事

あの福井市の小学生、その驚くべき発見とは

みなさん、お待たせいたしました。発表いたします。

なにを発表? -- ことの発端は、「福井市の小学生が驚くべき発見」をまず読んでくださいませ。

読みましたか? はい、では、いきます。

●中藤小学校の先生が言いたかったこと

前のエントリーでは、図を少し縮小して貼っていたので、以下のリンクをクリックして原寸大の図を脇に表示しておいてください。

(a), (b), (c), (d), (e)の5つの例で、周囲の長さはすべて16です。しかし、面積は異なります。念のために表にまとめておけば:

(a) (b) (c) (d) (e)
周囲の長さ 16 16 16 16 16
面積 16 15 14 13 7

小学校の先生が言いたかったことを、(子供向けじゃなくて)大人の言葉で表現すれば次のようになります。

面積が周囲の長さから求まるなら、

  • 面積 = f(周囲の長さ)

という関数fがあるはずです。もし仮にそうなら、面積 = f(16) となり、5つの例すべての面積は同じ値となりますが、実際には違います(上の表のとおり)。だから、面積と周囲の長さは無関係ですね、いいですね、みなさん。

もちろん、この先生の言い分は正しいものです。しかし、面積 = f(周囲の長さ, 他の要因, ...) という関数fの存在までは否定できません。

●あの子が発見した面積公式

「面積が周囲の長さだけから決まる」は嘘なんですが、周囲の長さが分かっている状況で、面積を簡単に求める方法があります。もう一度図をよく見てください。5つの図形において、その内部にある点(4つのタイルがあわさる点)が小さな黒丸で描いてありますよね。この内部点(interior points)の個数を勘定してみます。

(a) (b) (c) (d) (e)
周囲の長さ 16 16 16 16 16
内部点の個数 9 8 7 6 0
面積 16 15 14 13 7

「面積 - 内部点の個数」がすべての例で 7 ですね。つまり、

  • 面積 = 内部点の個数 + 7

となります。このときの「7」は周囲の長さに依存する数で、周囲の長さが変われば変わります。ですから、

  • 面積 = 内部点の個数 + 周囲の長さに依存する数

となり、面積を決定する要因として、周囲の長さが関与しているのです。

ところで、「周囲の長さに依存する数」の具体的な形はどうなるでしょうか? 例えば、周囲の長さを12, 18, 20くらいにして、例と同様な実験をすると予測がつくと思いますよ。

ここで、みなさんが実験と予測をする時間を持てるように、続きは別エントリーにします。ここから先、「面積を、内部点の個数と周囲の長さから求める公式」を一般化していくつもりでが、適当な区切りでエントリー(ページ)を替えることにします。推測や発見の過程を楽しむためには、エントリーの区切りで実験と予測を実際に行ってみることをお勧めします。

僕はこんなときのために(?)、B4の方眼紙、三色ボールペン、色鉛筆を備えています。(↓スターバックスのテーブル;暗くなっちゃったよ)

積み木やLaQ(ラキュー)のようなオモチャも役に立ちますよ。

街を歩いていても、考える素材はいろいろありますね。

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