なんか集合Dがあって、Dから平坦束D' = D + {T, ⊥}を作るとします*1。順序は、x∈Dに対して ⊥ ≦ x ≦ T、x, y∈Dならxとyは比較不可能と決めます。⊥を下、Tを上に図示すれば、⊥は「一番下にあって最小元」、Tは「一番上にあって最大元」と、日常的直感に一致します。
平坦束D'は、コンピュータが計算で扱うデータのモデルに使われるのだけど、Tと⊥をどう解釈するか? だいたいは、
- どっちか一方は、不定、未定、不明、知ったこっちゃない、というような意味
- もう一方は、破綻、矛盾、もう絶望的にダメ、異常事態、というような意味
ボトム(⊥)が異常事態を表すことが多いような気もするけど、順序を情報量の多寡と考えると、ボトムは情報が少ないから不明、トップは情報が多すぎて矛盾、と考えたほうが自然のような気もするし。どっちにどの意味を割り当てるべきなんだろう。
上下とか左右の問題は、毎回悩まされるよ、ふんとに。
*1:⊥は罫線文字じゃなくて、UP TACK って学術記号文字ですよ。