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参照用 記事

シネマコンプレックス「新宿バルト9」の驚嘆すべき大バカ最低システム

驚いた。あきれた。なにがどうなったらこんなバカげたシステムができるのだろう?

連休・子連れで映画館へ

連休、安直に「映画でも」と、子供二人を連れて「新宿バルト9」にはじめて行きました。9つの映画館を集約した施設、なかなかリッパです。上映開始10分前に着いたのに、既に長蛇の列、結局25分も並ばされた。すごく混んでいた? いやっ、さほどではなかったんですよ。長蛇の列の原因は、発券カウンターの処理能力が異常に低いためでした。

上映開始15分後に入れた -- ってことは

9つの映画館すべてのチケットを一箇所の総合カウンターで発売します。全席指定、完全入れ替え制です。僕らは結局、到着25分後/上映開始15分後に入れました。ここで少し考えれば、次のことがわかりますよね。

  • 満席になればその回は入場できないのに入れた → 特別に混んではいなかった。
  • 上映開始15分後にしか入れなかった → 入場処理がかなり遅延していた。

発券カウンターには発券用端末が8つくらい(数の正確さに自信はないが)並んでいたので、端末およびオペレータの絶対数が不足とは思えません。

発券カウンターはこんな感じ

自分たちがチケットを買う段になって、僕は心底驚いてしまいました。写真を撮る余裕と残メモリがなかったので、思い出して絵を描きますが、こんな感じです。

別に普通に思えるでしょ。ディスプレイ以外に、メニューケースに入れられた座席表(紙)があるのに注目してください。これは必須です!ディスプレイには現在(または目的の上映回)の空き状況が表示されます。画面上で空席は白、埋まっている席は青、一目瞭然。いやー便利ですね。(ホントに?)

お客と発券係のニイチャン(or ネエチャン)とのやりとりはこんな感じになります。

客:(ディスプレイを眺める)「ええと(ディスプレイに指を当てて)、このへんの席をください。」
係:「席番号をお願いします。」
客:(…困惑)
係:「こちらの座席表をごらんください。」
客:「えっ? これを見て番号いうんですか?」
係:「お願いします。」
客:「んんと、ここらへんだからー、Eの25番をください。」
係:「その席は空いておりません。」
客:「ええーー、なんで? ここ(ディスプレイを指して)白だから、空いてんでしょ?」
係:「もう一度、座席表と見比べてください。」
客:「あー、EじゃなくてFかぁ、Fの25番だ。」
係:「ここですね。」
客:「えっ? ここって? どこ??」
係:「画面をごらんください。赤で表示されている席でよろしいですね。」
客:「(画面を見て)そこじゃないよォ。Fの25番だってば。」
係:「ここがFの25番です。」
客:「ウソォ、そこが25番。つうことは、27番か?」
係:「それではこちらですね。」
客:「アレーッ!? 27番がそこなの、んじゃ23番?」
係:「それではこちらですね。」
客:「おお、そこそこそこ。そこだよー!」

と、客と係は抱き合って喜ぶ(それはウソ)。

僕の場合は

もうお分かりだと思いますが、画面上の表示に席番号はないし、席番号を読み取るヒントもありません。紙の座席表のほうを確認して席番号を見つけるのです。画面と紙では大きさもレイアウトも違うんで対応を取るのは困難です。

僕(檜山父)の場合、前の客の様子を見ていて、だいたい状況は把握してたのですが、それでも次のようなやりとりでした(ハイライト部分のみ、デフォルメなしの実話)。

父:「だーから、ここ(と思わずディスプレイを指してしまう、無意味!)、3つ空いてんでしょうが。」
係:「何番のお席でしょうか?」
父:「まんなかへんで3つ空いてんのはここ(とまたディスプレイを指してしまう、バカ)だけでしょう、そっちから見えてないの?」
係:「こちらの3席でしょうか。(と、赤の表示で示す)」
父:「いやっ、まんなかへん。」
係:(…困惑)
父:「あっ、『まんなか』って、X方向じゃなくてY方向の中央のこと。」
係:(…困惑)
父:「だーから、前後だよ、前後。左右じゃなくて。画面なら上下方向、鉛直方向ともいうか。」
係:(…よけいに困惑)
父:「あーーー、もういいよ。座標で言えばいいんだろっ、座標で。」

と、あの紙の座席表と画面をニラメッコして、目的の席の座標(席番号)を伝えました。

なんでこんなシステムが稼働しているのだろう

なんでこれほどにオバカなシステムが稼働しているのでしょう。実に腹立たしかったのですけど、それと同時に不可解でもありました。

補足しておくと、画面に席番号を表示するのは、確かに問題と困難があります。映画館の規模が大きいので席が多く、各席に番号を添えると字がすごく小さくなります(そんな小さなフォントないかも)。とはいえ、印刷物の座席表のほうがサイズは小さいので、座標軸に相当するガイダンスくらいは描けるでしょう。タッチパネルを使ったズーミング・インターフェースを備えるのが望ましい気がします。渋谷駅前にあったGoogleマップに似た案内板は、タッチするとズームインして良好な使い勝手でした。

普通のシステムなら、やれパフォーマンスだ、スループットだ、ベンチマークだと計測すると思うのですが、このシステムでの発券に何秒かかるか測らなかったのでしょうかね? 発券が文字通りボトルネックで、入場が遅延し、映画館の利用効率も悪くなっています。

タッチパネル+ズーミングとかいえば、当然にコストはかさみます。そんなコストはかけたいくない、あるいは無用だという経営的判断だったのでしょうか。それとも、システムの設計者が度し難いオバカで、そのオバカ設計をチェックする体制もなかったってことでしょうか。まーそれにしても、「画面と紙を見比べながら席番号を伝える」って、そういう発想、普通は出てこないんじゃないの?

似たような話:

[追記]うわっ、一年前の時点でこんなだったのか。

あんまり改善されてないってことね。[/追記]