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ペラペラの表層、シッカリした内実

もう十数年も前のことです。ある人と何度か話す機会があって、僕は彼の知識と見識に感服しました。彼は技術職ではなかったのですが、ソフトウェアに関連する仕事をしていました。ソフトウェアやIT業界に対する評価、批判、賛辞、予測などを色々と述べるのですが、ほとんどが的確な意見に思えたのです。

しばらくして、彼は技術職に移って、僕と仕事で関わることになりました。すると、えーと、ありていに言えば、使いものにならない技術者でした。はなしっぷりは相変わらずですが、言ってる事とやってる事(つうか出来る事)が余りにも違うので、もうウンザリ。結局彼は、また非技術系の仕事に変わりましたけどね。

最初に何度か話したとき、口だけの彼を見抜けなかった僕が愚かでした。彼は日経ナントカとかそういうタグイの雑誌の非常に熱心な読者だったんですね。仕事で必要と考えて精読していたのか、趣味的に好きだったのかわかりませんが。それを話の糸口にして、例えば僕(檜山)と話して、僕が言ったことの一部を別な場所で自分の意見のごとく言う、と。ま、そういう手法(?)で話題を拡げていたわけです。

僕は、face-to-face で彼と話しています。突っこまれればボロが出やすい状況ですが、それでも僕はあまり異論をはさまずに感服しちゃったのです(アホじゃ>自分)。インターネット上のコミュニケーションだったら、知識と見識をよそおうのはもっとずっと簡単でしょう。口頭より容易にわけ知りな言動が可能です。当時の僕のように、雑誌から抜き取っただけのペラペラの評論に感服するアホもいるでしょう。

後になって気付いたことですが、このテの人は、決して内容的な話はしない(できない)のですよね。ソフトウェアへの批判や賛辞は語りますが、インストールや運用トラブルでハマった(受け売りじゃない)経験談はしないし、カタログスペックを暗記しているけど(自分で書いた)サンプルコードを見せてはくれません。

そういう僕も、能書きと屁理屈に満ちたこんなブログを書いているわけです。内容的な話を入れないと、ペラペラ評論と差がなくなっちゃうよな、とか自嘲自戒したりもする今日この頃。*1

*1:「今日この頃」でエントリーを閉めるのは、「いいかげんにしなさい、ペシッ」で終わる漫才以上に陳腐だから、「やるまい」と思っていることなんだけど、この文末には「今日この頃」以外のフレーズがどうしても思いつかなかった。これまた自嘲自戒。