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Caty:悩まない事と悩む事

そろそろCatyの次のリリース。もう週末なので来週前半になりそうですが、「自分でWebサイトを作ってみる」ことが(proto1-0.1.1 よりは)容易になります。僕も説明しやすくなるでしょう。

Catyの設計方針や内部構造に関しては、たいして悩んだことはありません。というのも、前例があり、理論的背景がハッキリしていて、僕自身も何度か使ったことがあるような方式しか採用してないからです。組み合わせ方に多少の工夫はあるものの、個々の技術要素に目新しいものはありません。良くも悪くも堅くて保守的です*1

じゃ、なにも悩むことがないかというと、そういうわけではなくて、非常に頻繁に頭を抱えています。ユーザーから直接見えてしまうことに関しては、どうでもよさそうな決定に、ものすごく悩みます。

例えば、多方向分岐のキーワード(予約語)に次のような候補を挙げました。

  • dispatch, if, which, choice, choose, select, oneof, some, someone, ramify, cond, switch, case, fork, branch, tap, adopt, pick, opt

意味が正しく伝わるほうがいい、そして馴染みがある言葉がいいだろ、でも変な先入観を持たれるんじゃないか、それで誤解を招かないか、キーボードから打ちやすいだろうか、他のキーワードとのバランスはどうか、可読性に悪影響がないか、英語の語感として不自然ではないか、スラングとして変な意味を持ってたりしないか、… とか色々考えて dispatch を選んだのですが、しばらく使ってみても馴染まない、違和感が残る。で、キーワードなし(それでも構文解析可能)に変更。

それでまたしばらくしたら、どうも可読性が悪い。構文解析系への負担も気になる。再度キーワード復活にして、まーた考え込むこと数日。上の候補リストにはない when を思いついて、やっとこれに決定。と、そんな感じです。これに付き合っているKuwataさんのご苦労やいかばかりか。

今は、「説明の言葉使いをどうするか」で考え込んでいます。例えば、「ディレクトリ」よりは「フォルダ」のほうがいいだろうとか、「Webアプリケーション」と呼ぶよりは「Webサイト」と言ったほうが近寄りやすい印象があるだろうとか、「関係」と「関連」と「対応」をどう使い分けるべきかとか、まー、そんなこと。説明に使う用語は、ソフトウェア内で使うモデルや名前にも直結するので、文書だけの問題じゃありません。

もう少し技術的な(しかし周辺的な)話だと、URLやパスの概念をどう扱ってどう説明すべきか、とか、条件分岐の「条件」って何だろう? とか、改行を \n で表記するのはいかがなものか、とか。

そういや、変数の先頭文字を'$'(Unix風)にするか'%'(Windows風)にするか、もズーーット悩んでいるし。「そんなのコイントスで決めればいいじゃん」という気がしなくもないですが、記号の選び方ひとつで印象がだいぶ変わったりもしますからね。

このような悩み事のいくつかは、独立したエントリーにして書くかもしれません。

*1:[追記]:それに、キャッチフレーズが Back to The Oldies 。Web草創期の単純さ/素朴さを取り戻そう、みたいなスローガン。で、さらに古くさくて保守的な印象を与えるでしょうね。