このブログの更新は Twitterアカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama

メールでのご連絡は hiyama{at}chimaira{dot}org まで。

はじめてのメールはスパムと判定されることがあります。最初は、信頼されているドメインから差し障りのない文面を送っていただけると、スパムと判定されにくいと思います。

参照用 記事

構造忘却関手

忘却関手とは何であるか? を、一般的に定義するのはけっこう難しいことです。

ですが、構造を忘れる忘却関手なら定義できなくもないようです。

P. V. Golubtsov, S. S. Moskaliuk "Method of Additional Structures on the Objects of a Monoidal Kleisli Category as a Background for Information Transformers Theory" (http://arxiv.org/abs/math-ph/0211067) に、次のような定義が載っています。

  1. ∀X, Y ∈ Ob(C) the map F : C(X, Y) → C'(F(X), F(Y)) is injective,
  2. ∀X ∈ Ob(C), Y ∈ Ob(C') and an isomorphism u : Y → F(X) there is an object Y~ ∈ Ob and an isomorphism u~ : Y~ → X such that F(Y~) = Y and F(u~) = u.

これは、「構造を忘れる」タイプの忘却関手の条件です。F:CC'構造忘却関手であるとは、Fが忠実関手であり(1番目の条件)、C'内の同型の余域がCに持ち上がるなら、同型全体がCに持ち上がる(2番目の条件)ことです。

位相空間を単なる集合とみなすとか、群をモノイドとみなすとかが構造忘却関手ですが、確かに上の条件は満たしていますね。