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参照用 記事

関手の切った貼った

「切った張った」は喧嘩の話。ここの「切った貼った」は平和なカット&ペーストの話です :-)

今日、昼くらいに考えていたことがあったのだった。その備忘エントリーを書く前に別な話を書いてしまったけど …。

関手を順序付ける:subfunctor と partial functor」にて:

subfunctorとpartial functorの概念は区別したいので、どんな訳語を当てようか? という問題はありますね。はてさて?

partial functorのほうを(僕は)よく使うので、これを部分関手と呼ぶことにします。subfunctorのほうは、サブ関手とか下位関手とか。

で、なんで部分関手(partial functorのほう)を考えたいか、というと、空間の上の部分関数を貼り合わせることはよくしますよね(そこから層の話をしたりしますが)。同じようなことを関数じゃなくて関手に対してもやりたい、と。

Dが小さい圏の圏だとします。X∈|D| は圏(小さいヤツね)ですが、Xを空間とか空間の断片と考えたい。Xは空間みたいなもので、その上の関手が関数みたいなものです。関手が値をとる圏、まースカラーみたいなものをCとして固定します。関数空間に相当するものは関手圏 [X, C] です。

部分圏を、UX という埋め込み関手と思ってもいいですが(それが望ましいかもしれませんが)、面倒なんで集合の包含により部分圏を定義します。Xは小さいので|X|の部分集合とかホムセットX(A, B)の部分集合とかはハッキリ定義できます。

FとGが部分関手 F, G:X⊃→C のとき、FとGが貼り合わせ可能だとは、共通定義域 Def(F)∩Def(G) の上でFとGが一致することです。Def(F)∪Def(G) がXの部分圏になるとは限りませんが、Def(F)∪Def(G) を含む部分圏までF、Gを拡張できるでしょう。Def(F)∩Def(G) の上でFとGが完全に一致しないときでも、可逆な自然変換 α::F⇔G があれば、αで補正して貼り合わせた、と言っていいかもしれません。

F:XC、G:YC と、FとGが異なる圏で定義されているときでも、σ:XY があれば、σによりGをX上に引き戻して、Fとσ*G を貼り合わせることが可能かもしれません。貼り合わせ構成の話をちゃんとするには、圏の圏Dにグロタンディーク位相(被覆の族)を入れるのでしょうか? よく知らんけど。

これは、単に関数との類似を追いかけてるわけじゃなくて、関手モデルでは関手が(モデルの)インスタンスなので、 部分的にしか定義されてない関手の断片を切ったり貼ったりして全体を組み立てる必要があるからです。切った貼ったで何が作れるか、とか、貼り合わせ可能かどうか判断する目安などが必要になります。特に、「どんな組み立て方をしてもできるものは同じ(同型)だよ」というタグイの結果はありがたいですね。

なんだか漠然とした話しかしてないですが、素材から関手を組み立てたり、関手を加工したりする工作術が必要だ、とは言っておきます。