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参照用 記事

ボブ・クック教授のロックとゴスペル

このブログでよく言及しているボブ・クック(Bob Coecke)教授、彼の論文は読みやすくて面白いので、arXiv.orgをゴソゴソ探したりしてました。

それにしても、クック教授の特異なルックスとファッション、今更ながら気になります。とても気になってきた。あの異形の風体はどこから来ているのでしょう?

…… クック教授はミュージシャンだったんですね(アー、ヤッパリ)。

彼の曲は https://soundcloud.com/bob-coecke で聞けます。が、聞いてもサッパリ分からないので、Kuwataさんに問い合わせたところ、インダストリアルと呼ばれる音楽だそうで、詳細な(あるいは些細な)ジャンル論を横に置けば、ロックやメタルの系譜と捉えてもいいそうです。

ロッカーであれば、ピアスとサングラスが必須なのもうなずけます。そのルックスと話しっぷりは、高画質のインタビュー動画で確認できます。

クック教授が編纂した"New Structures for Physics"という本の献辞に次の言葉があります。

Dedicated to the many bright young theoretical physicists that failed to escape the fate of having to work in institutions like banks.

正確な意味は分からないのですが、高い志を持ちながらも硬直した組織で研究を続けざるを得ない若い理論物理学者にエールを送っている文のように思えます。若者に対して、社会的なメッセージを送っているあたりが何かロックっぽいかも。

"Quantum Picturalism"を紹介した「ボブ・クックの「お絵描き大好き 量子絵図主義」」において僕は、次のような“超訳”を試みました。

俺らが挑戦すべき課題は、正真正銘の量子現象を予測できる理論的構造物に必要な、欠けているピースを発見することだろ、そうだよな皆んな。

雰囲気を伝える意味では、あながち見当違いでもなかったかも知れません。

数年前から、量子力学を使って言語学をやろうという、一見すると前田先生のようなことも、クックは手がけているようです。これについては、Joselle Kehoeが解説記事"Quantum Mechanical Words and Mathematical Organisms"で紹介しています。

さてところで、arXiv.orgで僕が選んだ論文は次です。

比較的短くて、色々な話題が少しずつ書いてあります。そして色々な示唆が詰め込まれています。この内容についてはまたの機会に。