1986年リリースの「レイニーブルー」(徳永英明)の歌詞は、
- 電話ボックスの外は雨、かけなれたダイアル回しかけて、ふと指を止める。
もはや「電話ボックス」を見ることはないし、「ダイアル回す」こともないですね。
屋外の電話ボックス以外に、飲食店などに設置されたピンク電話という公衆電話もありました。
なんでそんなことを思い出したかというと、さきほど大通り沿いのカフェでコーヒーを飲んでるとき、少しあわてた感じのおじいさんが入ってきて「電話はありませんか?」と店員さんに聞いてきたのです。もちろん返事は「電話はありません」。
昔は僕も、電話ボックスが見あたらないときに喫茶店に入り、ピンク電話を使わせてもらったことがあります。あのおじいさんも、過去のそんな記憶から「電話はありませんか?」と聞いたのでしょう。
ピンク電話だと、104番の電話番号案内サービスが使えないんですよね。でも、なんとかする裏技があったんです。その方法は、飲食店で働いているときに店長から教わりました。
長く生きていれば、公衆電話にまつわる思い出のひとつやふたつはあるでしょう。電話ボックスでイタズラしようとした話は「「バカなこと」は難しい」に書いたことがあります。
彼が彼女に電話をかけるのに、彼女のアパートのすぐそばの電話ボックスまで行って、部屋の窓にうつる彼女の影を見ながら話していた、なんて思い出を聞いたことがあります。切なく微笑ましく感じるのは、固定電話と公衆電話という状況だからでしょう。そう、今ではあり得ない昔話だね。