F:C→DとG:D→C が随伴関手対で、Fが左随伴、Gが右随伴のとき、僕はこの事を次のように書いています(「圏論の随伴をちゃんと抑えよう // 随伴系の書き方と事例」参照)。
- F -| G:D→C
逆ターンスタイル記号'-|'を使うのは一般的です。しかし、その後に書く圏と矢印の書き方は色々あります。
- C→D
- D→C
- C←→D
- D←→C
僕と反対方向の記号や用語を使う人はもちろんいます。例えば:
- Title: KAN EXTENSIONS AND NONSENSICAL GENERALIZATIONS
- Author: ADAM ANDERSON
- Pages: 7p
- URL: http://www.math.uchicago.edu/~may/VIGRE/VIGRE2007/REUPapers/FINALAPP/Anderson.pdf
同じセッティングでも、「CからDへの随伴」と呼んでいます。
ところで、「圏論の随伴をちゃんと抑えよう」で、随伴の主役はC, D, F, Gではなくて、単位ηと余単位εだと言いました。η, εも添えた書き方をしている人もいますね。
- Title: COMPLETION, CLOSURE, AND DENSITY RELATIVE TO A MONAD, WITH EXAMPLES IN FUNCTIONAL ANALYSIS AND SHEAF THEORY
- Author: RORY B. B. LUCYSHYN-WRIGHT
- Pages: 33p
- URL: http://www.tac.mta.ca/tac/volumes/29/31/29-31.pdf
ただし、逆ターンスタイルにη, εを埋め込んだ記号を使うのは難しいので、代替案としては次のようかな。
- (η, ε): F -| G :D→C
これで、随伴系を構成する構成要素は全部記述しています。主役が明示されている点がいいです。
随伴系がホムセット同型で与えられるときは、
- Φ: F -| G :D→C
これは、次の自然同型(可逆自然変換)があることを意味します。
- ΦA,X:D(F(A), X)→C(A, G(X))
省略して書くなら、(η, ε)やΦではなくて、むしろC, Dを省略すべきでしょう。
- (η, ε): F -| G
- Φ: F -| G
[追記]更新された随伴系の書き方は「随伴に関する注意事項」参照。[/追記]