某所で、アイチソン幾何の話題が出ました。対数比変換により、アイチソン幾何はユークリッド幾何にマップできます。ニューラルネットワークの出力層活性化関数として有名な softmax関数は、ユークリッド幾何の一部を潰してアイチソン幾何にマップします。こ…
この記事の目的は2つあります。ひとつは、整数区間の分割とその変種(合計で4種類)の概念を導入することです。もうひとつは、整数区間の分割を通じて、概念の論理的な定義について説明することです。最初の節で、この記事を書いた事情・経緯を説明していま…
構造化された命題の記述形式としてシーケントはとても便利です。僕はシーケントが好きなんですが、実際に使う前にちょっと躊躇することがあります。シーケントがあまり一般的ではないので、事前に多少の説明が必要です。また、シーケントの使い方や書き方に…
モノイド閉圏、トレース付きモノイド圏、コンウェイ圏(不動点オペレーター付きデカルト圏)は、モノイド圏にカリー化、トレース、不動点というオペレーターを載せた構造です。これらの圏の計算では、ストリング図を使うのが便利です。このブログでは、図式…
デカルト圏上のコンウェイ不動点オペレーターは、関数のパラメータ付き不動点の振る舞いを抽象化して圏論的に定式化したものです。2つの成分変数(インデックス)を持つオペレーターで、ひとつの成分変数に関しては自然性を持ち、もうひとつの成分変数に関し…
今年の6月1日に「溝口勇児氏のXポストをAIに分析させたら、割と傑作な応答が得られた」という記事を書きました。当時、マンジャロ騒動というものがあり、それに対する溝口氏のXポストをAIに分析させた結果が: このポスト一つで、「ストローマン」「論点のす…
略記や省略、記号の乱用、名前のオーバーロードは、記述を簡潔にしてくれるので便利です。しかしそれは、書くべき情報を書かない/区別すべきものを区別しないことになります。省略やオーバーロードは、抜けている情報を補完する能力/曖昧表現を解決できる…
関手 $`F:\mathcal{C} \to \mathcal{D}`$ が可逆なら、逆関手 $`F^{-1}`$ を作れます。可逆より弱い条件である充満忠実性を持つ関手 $`F`$ でも、(ほんとの逆関手ではないが)疑似的な逆関手が作れます。これは、$`F`$ が充満忠実かつ本質的に全射である関…
先日(2026-08-25 )の記事「厳密余デカルト・モノイド小圏と多ソート・ローヴェアセオリー」から引用: 最初の節で概略を述べた現象がなぜ起きるのかは、いずれ別記事にすることにします。 これがその別記事です。この記事では、圏 $`\mathbf{CoCMSC}_\math…
「関数の値が未定義」と言われることがあります。しかし、「値が未定義」の意味がハッキリしないことがあります。典型的な2つの場合について考えてみます。 関数の値が存在しない。 関数の値が存在するが、どんな値になるかは分からない。 この2つの場合につ…
Maybeモナドは、集合圏上のモナドのなかで最も簡単なものでしょう。そのクライスリ圏も簡単だろう、と思ったのですが、そうでもない。Maybeモナドのクライスリ圏と集合圏はかなり似ています。そのため、Maybeモナドのクライスリ圏と集合圏がゴッチャになって…
この記事は、昨日の記事「ホンマモンの圏とは? 圏のクラス・性質のk-安定性」の付録のようなものです。圏達からなる集合〈0-圏〉、1-圏、2-圏などをドクトリン〈doctrine〉と呼びます(「補足と続き: ベックの分配法則に基づく“一般化圏の製造工場” // ド…
多ソート・ローヴェアセオリー〈multisorted Lawvere theory〉について考えていたら、思ってもいなかったことに出くわしたので、取り急ぎそれについて書きます。最初の節に、出くわした現象をメモしておきます。最初の節は流し読みでもいいですが、この節に…
「パチモンの圏 = システム」という記事において、パチモンの圏について述べました。パチモンの圏とは、ヴォエヴォドスキー〈Vladimir Voevodsky〉が「集合レベルの圏〈set-level category〉」とか「プレ圏〈pre-category〉」と呼んでいた代数系のことです…
ホムセット $`\mathrm{Hom}(A, B)`$ 、エンドモノイド〈自己準同型モノイド〉 $`\mathrm{End}(A)`$ 、オート群〈自己同型群〉 $`\mathrm{Aut}(A)`$ はよく使う概念・記法ですが、射に対しても $`\mathrm{Hom}, \mathrm{End}, \mathrm{Aut}`$ を定義します。…