公理的集合論やグロタンディーク宇宙の公理系では、順序を持たないペアが作れることは保証しています。が、順序を持つペアは頑張って作るのが普通です。作り方は一通りではありません。典型的な順序ペアの作り方を見ておきましょう。$`\newcommand{\mrm}[1]{…
公理的集合論の置換公理を「関数の像は集合である」と説明したり理解したりする人がいます。まー、そうなんですけど、ここに出てくる「関数」を普通の意味で理解すると、まったくのトンチンカンなことになります。置換公理に出てくる「関数」は、普通の関数…
型理論/型システムは何十種類、いや何百種類もあるのですが、そのなかで、「今のイチ推しは何ですか?」と聞かれれば、カートメル/ヴォエヴォドスキー/パルムグレンの型理論を挙げます。$`\newcommand{\mrm}[1]{ \mathrm{#1} } \newcommand{\In}{\text{ i…
「命題」という言葉は極めて曖昧な言葉です。曖昧だから色々な意味で使えて便利ということでもあります。使う場面・文脈により次のような意味があります。 真偽値 述語 論理式 定理 (国語辞書的意味で)課題、使命、目標など この曖昧性については、「Propo…
デジタル語彙目録における“管理された名前”〈managed name〉は、何らかの対象物を一意非曖昧に名付けるために使う人工的な名前です。通常のコミュニケーション内で管理された名前を直接使うことは意図してません。通常のコミュニケーション内で使う用語〈テ…
デスクトップ・アプリケーションである Obsidian を使って、ローカル(自分のPC)でデジタル語彙目録を作成する方法は、だいたいの目処が立ってきました。ローカルに作成したデジタル語彙目録をWebに公開する方法も考えなくてはなりません。 Obsidian Publis…
ハブ記事: デジタル語彙目録:: 動機と概要 専門用語も野生の言葉専門用語〈テクニカルターム〉は、特定の分野/特定の集団内において国語辞書の意味とは別な意味で使われる言葉です(国語辞書には載ってない言葉のこともあります)。世間で通用する一般的な…
「デジタル語彙目録:: 名前の管理」から: ありていに言って、デジタル語彙目録作成は、 $`\qquad`$ひたすら名前との戦い です。 本日も名前と戦っています。デジタル語彙目録作成のために色々と試行錯誤しまして、紆余曲折ありまして、名前空間の構造や相互…
「デジタル語彙目録:: 名前の管理」において、次のように書きました。 ありていに言って、デジタル語彙目録作成は、 $`\qquad`$ひたすら名前との戦い です。 名前をソフトウェアを使ってキチンと管理しようとすると、その名前が何を指すのか? どんな種類の…
デジタル語彙目録のそもそもの動機が、同義語・多義語の問題の解決(少なくとも軽減)なので、名前の管理が基本的かつ主要な課題です。名前の管理方式について考えます。内容: 名前 URIとしての管理名 指標のラベルとハッシュURI ソフトウェア的な考慮 ハブ…
「デジタル語彙目録:: 動機と概要」で述べたように、同義語・多義語の問題に非常に困っていて、その対策としてデジタル語彙目録を作ろうとしています。試しに、代数系〈algebraic {system | structure}〉の定義を幾つか、半形式的に書いて語彙エントリーを作…
この記事は前半(4節まで)と後半(それ以降)に分かれています。前半では、コミュニケーションにおける曖昧性、曖昧性による行き違いを減らすための原則や手法を述べます。後半では、事例としてDiag構成について述べます。Diag構成の話題は、単なる事例とい…
同義語・多義語の問題について過去3回の記事で述べました。 同義語・多義語にホトホト困っている 同義語・多義語の問題(続き) 同義語・多義語の問題: タグによる修飾と分類 同義語・多義語の問題は、正確なコミュニケーションにとっては深刻な障害となり…
二項演算や単項演算はお馴染みの概念だと思います。無項演算や可変項数演算も考えることができます。台集合の上に、幾つかの演算が載った構造が代数系です。大きい台集合も許すならば、グロタンディーク宇宙も一種の代数系とみなせます。$`\newcommand{\mrm}…
「同義語・多義語の問題(続き)」より: 同義語・多義語の処理に関して、無難な方法を採用したのですが、それが最良かどうかは分かりません。もっと良い方法があるかも知れません。例えば、ツリー状の分類は難点もあります。代わりにタギングによる分類を試…