2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧
記事「コンピュータ科学や組み合わせ論を“微分幾何”とみなす:CADGの夢」(2016年) を書いた頃、「抽象微分幾何〈ADG : Abstract Differential Geometry〉」という言葉を、何人かの人が使っているのを知りました。そのなかでも、アナスタシオス・マリオス〈An…
多様体上で「ベクトルの平行移動」を定義して、それに基づいて共変微分を定義するのは、よく使われる普通の定式化です。平行移動と共変微分を繋ぐのは、「無限小の平行移動」という概念です。この「無限小の平行移動」のハッキリとした定義はあまり見かけま…
「多変量正規分布」シリーズはしばらく間が空きそうなので、ここで、動機とか見通しとかを、後で思い出すためのメモとして残しておきます。「多変量正規分布」とタイトルを付けながら、過去2回はアフィン空間の話だけでした。 多変量正規分布 1: アフィン空…
前回の記事「多変量正規分布 1: アフィン空間」で、「次は二次形式」と書きましたが、その前に、アフィン空間の位相構造と測度構造について触れておきます。Rn上の正規分布だけを考えるなら、標準的な位相と測度を意識する必要はありません。一般的な(有限…
関数fの点aにおける微分係数は、a近辺でfを良く近似する線形写像(正確にはアフィン線形写像の線形部分)とみなせます。線形近似としての微分の一般的な形はフレシェ微分〈Fréchet {derivative | differential}〉といいます。フレシェ微分の枠組みでは、“一…
確率モデルのひとつであるガウス/マルコフ・モデルを理解したいのですが、その前に、多変量〈多次元〉正規分布を理解しないといけないようです。なので、多変量正規分布を調べています。多変量正規分布を理解するための予備知識を何回かに分けて書くつもり…
昨日の記事「確率変数が分布に「従う」とは」で、「従う」という言葉の使い方を説明しました。この記事では、その使用例をひとつ挙げます。「確率変数が分布に従う」という言い方の例として、こんなのがあります。 正規分布に従う独立な確率変数X1とX2に対し…
確率・統計に出てくる「よく分からない言葉」を、多少は「分かる言葉」にしようと詮索した記事を、過去に幾つか書きました。そのリストはこの記事の最後に載せることにして、扱った「よく分からない言葉」は: 確率変数 分布 母集団 標本 これらは「意味不明…
論理の限量子 -- つまり全称限量子(記号は'∀')と存在限量子(記号は'∃')-- の使い方が分からない、という質問・相談を受けることがあります。なかでも、「∀と∃の順序を交換してイイの? それともダメなの?」はFAQ〈Frequently Asked Question〉でして、…
このブログの読者に、ネット詐欺への警告をするのはあまり意味がないと思いますが、「お知り合いなどに注意を促してください」という注意を促す意味で。それと、メール文面が面白かったので、詐欺メールを紹介します。2つあるうちの1つ目: 何日か前で、メー…