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参照用 記事

雑記/備忘

可換モナドとラックス・モノイド・モナド(動機も少し)

「対称モノイド圏上の可換モナドはラックス・モノイド・モナドとみなせる」という事実があります。それを聞いても「あーそうですか、それで?」なんだけど、動機があって辿り着くと「ほー、そうかそうか、ウンウン」みたいな気分になります。動機・経緯につ…

過剰高次射を認めるn-圏の便利さ

本日(2022-01-17)2投目の小ネタ。 n-圏の過剰高次射と反転原理 負次元の圏と(N, m, n)-圏 上記2つの記事で、n-圏(n次元の圏)のk-射(k次元の射)の話をしました。通常の圏(つまり1-圏)の議論に高次圏は出てこないと思うかも知れませんが、そうではあり…

スタックの話: 仕様と実装とテスト

小ネタ。雑感。内容: 無法則スタックと有法則スタック 法則とテストコード 問題点 無法則スタックと有法則スタック「有法則代数と無法則代数」に書いたように、「無法則〈lawless〉/有法則〈lawfull〉」という言葉は便利です。無法則なスタックの指標を書…

負次元の圏と(N, m, n)-圏

「n-圏の過剰高次射と反転原理」は僕の雑感でした。雑感の続きを書きます。関連する記事: ファンタジー: (-1)次元の圏と論理 負次元の圏一般に、すべてのn-圏を対象とする(n + 1)-圏を と書きます*1。“負次元の圏”と言い出したのはバエズ〈John C. Baez〉…

n-圏の過剰高次射と反転原理

n-圏のなかで、nを超える次元の射の有無や性質が問題になることがあります。そのような射、つまり n < k であるk-射を過剰高次射〈excessively higher morphism〉と呼ぶことにします。過剰高次射に対する態度には次の3つがあるでしょう。 過剰高次射なんて…

モナド: 随伴系の圏の上のインデックス付き圏として

2022年あけましておめでとうございます。2022年最初のブログ記事は、10年前の話を蒸し返すかも知れない。今年中は無理だけど。 https://t.co/9GvXWUJv5a— 檜山, キマイラの爺さん (@m_hiyama) 2021年12月31日 というわけで、圏に対してその上のモナドの圏を…

等式的推論と高次圏論

圏論内で使う等式的推論を、圏論のなかで定式化してみます。等式的推論は高次射になるので、少しだけ高次圏論を使います。内容: 等式的推論 高次圏 高次圏における結合 結合の演算子記号 恒等射 2-圏の3-射、4-射 恒等射だけの圏 恒等射の計算と等式的推論 …

米田テンソル計算 4: 米田埋め込み

「米田テンソル計算 3: 米田の「よ」、米田の星、ディラックのブラケット 再論」にて: 圏の対象・射の{余}?米田埋め込みと関手・自然変換の{余}?米田埋め込みの両方に米田の星を使ってますが、これはオーバーロードです。両者はすこし別な対応です。僕は、…

ニンジャ米田の補題と本家・米田の補題

「自然変換の集合のエンド表示」で、自然変換の集合がエンドで表現できることを示しました。投稿の時間順序は前後してますが、必要な基本事項を「ホム関手とサンドイッチ結合」で解説しています。また、「米田テンソル計算 3: 米田の「よ」、米田の星、ディ…

ホム関手とサンドイッチ結合

ホム関手は非常に基本的かつ初等的な概念です。初等的なゆえにむしろ、シッカリと語られなかったり、ボンヤリした理解のまま先に進んでしまったりがアリガチかも知れません。内容: ホムセットとホム関手 ホム関手のプロファイル サンドイッチ結合 おわりに …

単調作用素と閉包作用素のプレ不動点

昨日の「有法則代数と無法則代数」から連想した小ネタ。 昨日の話 (記号の乱用)を圏 上のモナドとします。このモナドのクライスリ圏とアイレンベルク/ムーア圏は次のように書くことが多いです(僕だけでなく世間的に)。 クライスリ圏: アイレンベルク/…

disintegration は使わないほうが吉

昨日の記事で話題にした長/ジェイコブス論文の Proposition 3.10 (p.11)のそば(p.10)に次の絵(描画方向は ↑→)があります。 これを見ると、次のように思えます。 integration は同時化: disintegration はベイズ反転: 実際、integration = 同時化、…

反転可能マルコフ圏は条件化可能

表題の事実は、長/ジェイコブスの以下の論文の p.11 Proposition 3.10 として記述されています。 Title: Disintegration and Bayesian Inversion via String Diagrams Authors: Kenta Cho, Bart Jacobs Submitted: 29 Aug 2017 (v1), 8 Feb 2019 (v3) Pages…

型理論が気持ちよく出来る圏とは

デカルト閉圏では、単純型理論とラムダ計算が気持ちよく出来ます。が、実用上、もう少し広い範囲の型 -- 依存型と再帰的型も扱えたほうがいいですね。依存型と再帰的型も扱えて、手で触れる感じ(あくまで“感じ”)の圏を考えましょう。内容: 実用上必要そう…

米田テンソル計算 3: 米田の「よ」、米田の星、ディラックのブラケット 再論

記法をどう取り決めるか? どうでもよさそうでも深刻に悩んでしまうのですよね。悩んだ経緯も含めて、現時点での約束ごとを記しておきます。表題に挙げた 米田の「よ」、米田の星、ディラックのブラケット の概念と記法について述べます。内容: はじめに 米…

理想化Haskellと忖度翻訳

Haskell風構文の擬似コードで記述された概念をデカルト閉圏で解釈してみます。翻訳の過程でけっこうな“忖度”が要求されます。内容: 理想化Haskell デカルト閉圏に対する直訳 忖度翻訳 関連する記事: Haskellの二重コロン「::」とバインド記号「>>=」の説明…

圏論的レンズ 6: 丹原/ペイストロ/ストリート随伴系

オプティックは双方向データ変換の技法ですが、抽象的定式化の枠組みとしては丹原/ペイストロ*1/ストリート理論〈Tambara-Pastro-Street theory〉が使われているようです。なので、オプティックのための丹原/ペイストロ/ストリート理論の枠組みについて…

自然変換の集合のエンド表示

レンズ/オプティックなどの議論では、エンド/コエンドをヘビーに使います。この記事では、自然変換の集合をエンドで表示することを目的にして、エンドの説明をします。当該の目的に不要なことはカットして、できるだけ短い説明にします。この記事内では、…

両側アクテゴリーとその準同型射

「オプティック界隈の丸付き文字と記号の乱用」でも触れたように、オプティックではアクテゴリーをよく使います。ほとんどの場合、左アクテゴリーを使っているようですが、右アクテゴリー、両側アクテゴリーも含めて整理してみます。内容: 律子=法則射 左…

オプティック界隈の丸付き文字と記号の乱用

オプティックに関する文書を読んでいると、ラテン文字を丸で囲んだ記号が登場するんですよね。まず、MathJaxでどうやって書いたらいいのだろう? enclose というMathJax拡張があるので、それを使ってみます。次のようにマクロ〈ユーザー作成コマンド〉を定義…

リスト、タプル、タグ付きデータ、関数、依存関数

「依存型とΣ-Δ-Π随伴、そしてカン拡張」の冒頭にて: 「依存積型」と「依存和型」に関しては、もうサンザンだよー、あったく...[snip]...ふんとに「依存ナントカ型」って紛らわしいよねぇ。それで、「依存ナントカ型」と言うのはやめます。...[snip]...今後…

米田テンソル計算 2: 準備

米田テンソル計算の内容について書こうと思ったら、けっこう色々準備が必要みたい。「圏論からの準備」というより、もっとツマラナイこと、しかし無視できないことに関する細々とした準備です。記述や計算のためのツマラナイ道具(いや、ツマラナクないが)…

ストリング図とテンソル計算: クソバカ丁寧編

ストリング図とテンソル計算に関して僕が言えること、言いたいことは「やってみてください」です。ある意味“機械的な作業”なので、やれば出来ます。ボブ・クック教授に言わせれば「幼稚園児でも出来る」(「幼稚園児のための量子力学とその周辺」参照)。も…

圏論的レンズ 5: オプティック構成とテレオロジー圏

今回は、僕の雑感のようなものです。若干茫漠とした短い話ですが、抽象的オプティックの世界を俯瞰してみます。内容: オプティックとは何か? オプティックの世界 最初の記事+シリーズ目次 オプティックとは何か?オプティックは、ソフトウェアの理論・技…

米田テンソル計算 1: 経緯と発想

マリオ・ロマン〈Mario Román〉の論文に触発されて、コエンド計算を古典テンソル計算風にアレンジできるんじゃないかと思い始めました。今まで折に触れて考えたり使ったりしてきた絵算の技法と米田ご利益ツールズを動員すれば、割と気持ちいい計算体系が作れ…

圏論的レンズ 4: テレオロジー圏

レンズ/オプティックを記述する道具としてテレオロジー圏が便利そうです。紹介しておきます。内容: 参考文献 アクテゴリー〈加群圏〉 テレオロジー圏とストリング図 テレオロジー圏の定義 最初の記事+シリーズ目次 参考文献テレオロジー圏〈teleological …

圏論的レンズ 3: レンズ/オプティックのための描画法

レンズ/オプティックについて次の記事を書きました。 圏論的レンズ 最初の一歩: ストリング図を中心に 圏論的レンズ 2: 具象オプティック 圏論的レンズ 訂正と補足: 具象レンズ=具象オプティック これらの記事を(読むのではなく)眺めてもらえれば分か…

圏論的レンズ 訂正と補足: 具象レンズ=具象オプティック

「圏論的レンズ 2: 具象オプティック」において、次のように書きました。 具象オプティックを定義すると、具象レンズは特殊な具象オプティックとみなせます。「圏論的レンズ 最初の一歩: ストリング図を中心に」において、具象レンズの圏 の形式的定義は省…

圏論的レンズ 2: 具象オプティック

「圏論的レンズ 最初の一歩: ストリング図を中心に」において、元祖レンズと具象レンズを紹介しました。元祖レンズを少し一般化すると具象レンズになるのでした。この記事では、具象レンズをさらに少し一般化して具象オプティックを導入します。[追記]この…

圏論的レンズ 最初の一歩: ストリング図を中心に

プログラミングにおいて、レンズ〈lens〉と呼ばれる構造が使われる機会が増えているようです。古典的なレンズが幾つかの方向に一般化されていて、「レンズってなに?」と聞かれても答えにくい状況になっています。一番簡単な(と僕が思っている)ストレージ…