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参照用 記事

マルコフ圏の一族から典型例を7つ

マルコフ圏の一族(昨日の記事「マルコフ圏の一族」参照)から、典型例となる圏をいくつかピックアップしましょう。まずは、確率論で使うマルコフ圏を3つ。 SBorelStock : 標準ボレル空間〈standard Borel space〉を対象として、マルコフ核を射とするマルコ…

マルコフ圏の一族

ひと月ほど前(6月初旬)にマルコフ圏を知って以来、いくつかのブログエントリーを書きました。 マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化 マルコフ圏って、いいんじゃないのコレ マルコフ圏、ベイズの定理、陰関数定理 圏論的確率論におけるC…

マルコフ核と確率密度関数

確率統計の理解のために、僕がジリィモナド、マルコフ核、マルコフ圏などをおすすめするのは、見通しがよくなり、必要な概念が実は少数なことが分かるからです。少数の概念に対する膨大な呼び名(同義語、類義語、曖昧語)が無節操にとっ散らかっています。…

線形代数の発展を一枚の絵にしてみた

扱う対象が、より一般的で複雑になっていきます。*1 対象 圏 備考 ベクトル空間 K-Vect Kは体 ベクトルバンドル K-VectBdl[X] Kは体、Xは底空間 加群 R-Mod Rは可換環 加群層 Φ-Mod-Sh[X] Xは空間、Φは空間X上の可換環層 *1:Graphvizのソース:https://bit.l…

モナドを使って多線形写像の圏を作る

多ベクトル空間〈poly-vector space〉と多線形写像〈poly-linear map〉の圏PLを作りましょう。テンソル計算をモダンにやりたいとき、PLが必要になります。また、PLを作る過程で、ちょっと変わったモナドが現れます。内容: 圏CMLの定義 CML上の線形化モナド…

ストリング図と因子グラフ

f:X×Y→Z という関数〈写像〉をストリング図で表すと、次のようになります。描画方向は上から下で、関数のノードは四角です。*1とあるコミュニティーでは、次のような図を因子グラフ〈factor graph〉と呼ぶようです。ストリング図と同様、描画方向を前もって…

有限離散マルコフ核に関する注意

「マルコフ核: 確率計算のモダンな体系」にて: 積分記号 と“微分”記号 を使って書いてますが、離散の場合でも通用する話なので、離散の場合は和分記号〈総和記号〉 と“差分”記号 または に書き換えてください。 これを実行するときの注意を幾つか述べてお…

圏論的確率論におけるCタイプとAタイプ

「マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化」にて: 比較的最近、フリッツ〈Tobias Fritz〉は、確率と統計を圏論的かつ統合的〈synthetic〉に扱うための枠組みとして、マルコフ圏〈Markov category〉を提案しています。...[sinp]...統合的〈s…

マルコフ核: 確率計算のモダンな体系

この記事は、5年前(2015-06-04)に書いた次の記事を再整理・敷衍したものです。もとの過去記事を参照する必要はありません*1。 測度的積分核と随伴構造 まず、「マルコフ核」の同義語が山のように(少なくとも20個は)あることは、次の記事を参照: ベイズ確…

フォングは何故「確率変数」と呼んだのか

あっ、そうか! そういうことか。昨日・一昨日と、フォングの因果セオリー論〈theory of causal theories〉を紹介しました。フォング論文で使われている語法・記法・図法が混乱・誤解をまねく〈confusing / misleading〉ものなので、「どうなの? コレ」と疑…

因果セオリー論の語法・記法・図法(修正案付き)

因果セオリー論〈theory of causal theories〉という奇妙な言葉については直前の記事「フォングの“因果セオリー”の理論」を見てください。直前の記事において、フォングのストリング図は「視認性が悪く、おすすめできませんね。」と否定的な言い方をしたので…

フォングの“因果セオリー”の理論

次の論文は、2012年に書かれたフォング〈Brendan Fong〉の修士論文です*1。 Title: Causal Theories: A Categorical Perspective on Bayesian Networks Author: Brendan Fong Pages: 77p URL: https://arxiv.org/abs/1301.6201 *2 タイトルが「因果の理論」…

経験分布って、なんだそれ?

一週間ほど前に、「経験分布」という言葉を聞いたのですが、これがよく分からない。経験分布は標本に対して定義されるらしいのですが、「標本」と「分布」といえば、“意味不明な用語の四天王”のなかの二つじゃないですか。こりゃ意味不明になるわな。 超曖昧…

マルコフ圏、ベイズの定理、陰関数定理

マルコフ圏に出会って10日くらいですが、だいぶ気に入ってます。 5月9日 マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化 5月16日 マルコフ圏って、いいんじゃないのコレ フリッツ〈Tobias Fritz〉がマルコフ圏という俯瞰図を与えてくれたおかげで、…

マルコフ圏って、いいんじゃないのコレ

「マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化」で紹介したマルコフ圏は、比較的に新しい概念です。 フリッツ〈Tobias Fritz〉が公理化して、新しい名前を付けた。 アイディアは新しくはなく、過去に同様な試みがあり、大量の実例もある。 フリ…

オンライン茶話会〈Cha話会〉

新型コロナウィルス禍は、誰にとっても酷い厄災なのですが、そのなかでポジティブな変化を探すなら、オンライン・ナントカが一般化したことでしょう。「オンラインではどうにもならない」ことも多いですが、「オンラインでもなんとかなるな」と発見した人も…

ユークリッド空間に埋め込まれた向き付き多様体の向きの表現法

※ 追記あります。ジョニー(a.k.a. id:hiroki_f @hiroki_f)*1が、twitterで「埋め込まれた多様体の向き」のことをつぶやいていたのですが、最初、意味がよく分かりませんでした(ツイートなので致し方ない)。2,3度やり取りして、だいたい納得しました。ま…

マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化

比較的最近、フリッツ〈Tobias Fritz〉は、確率と統計を圏論的かつ統合的〈synthetic〉*1に扱うための枠組みとして、マルコフ圏〈Markov category〉を提案しています。僕が知る限り、次の論文がマルコフ圏に関するいちばん詳しい資料です。 Title: A synthet…

僕の偏見としてのデカルト閉圏

ふと思ったのですが、僕は「デカルト閉圏」に拘り過ぎかも。とある圏Cがデカルト閉圏でないと、それを理由に「Cは使いにくい」と僕は言うわけですが、これは偏見です。偏見とは「そう信じているが、その根拠を合理的に説明できない」拘りや思い込みです。「…

団塊の世代とメディア

12年前に「きょうび、雑誌に投稿する人は」というエントリーを書いたのですが、短いので全文引用します。 「週刊朝日」2008 8/8号(07/25発行)に、水木しげる先生と次女の水木悦子さんの親子対談が載っているので買いました。「お便りクラブ」という読者投…

ブラウザのアドレスバーにLaTeX数式を入れるとレンダリングされる

例題は次の数式です。このブログ内ではMathJaxによってクライアントサイドでレンダリングされます。LaTeXソースは次のとおりです(はてなブログではインライン数式です)。 \int_{t=a}^x f(t)dt = F(t) \Big|_{t=a}^x 空白を取り除くと: \int_{t=a}^{x}f(t)…

シュバレー/アイレンベルク関手の簡単な例+雑多なこと

2019年の最後に「シュバレー/アイレンベルク関手の話」という記事を書きました。シュバレー/アイレンベルク関手がちゃんと定義できれば、ド・ラーム複体や共変微分からの外微分系列は、シュバレー/アイレンベルク関手から得られるはずです。なるべく一般…

オンラインMarkdown環境の数式機能:謝罪と説明

ここ2,3日、オンライン上でMarkdown文書の編集や管理が行えるサービスを触ってみました。 StackEdit https://stackedit.io/ HackMD https://hackmd.io/ Kibela https://kibe.la/ この3つ全てにおいて、ディスプレイ数式は行ごとにセンタリングされます(Hack…

続・オンラインMarkdownエディタ&ビューワー

昨日の記事「オンラインMarkdownエディタ&ビューワー」で、オンラインMarkdownエディタStackEditを紹介しましたが、StackEditの数式機能(KaTeX)がイマイチでちょっと困りました。類似のオンラインツールであるHackMDを試してみます。 HackMD https://hack…

オンラインMarkdownエディタ&ビューワー

Wiki構文は、一時期は群雄割拠というか、方言が溢れていました。しかし今では、Markdownが標準の地位を獲得したようです*1。Markdownの拡張や方言はありますが、中核の構文は安定しています。僕も、Markdown構文で書くことは多いです。※ 追記があります。 オ…

オンライン・ナントカ

オンライン・ナントカのナントカの部分に何が入ろうが、もはや驚かなくなった。例えば、オンライン結婚式(↓)。さもありなん。 Congrats! (β版) https://congrats.crazy.co.jp/ 僕が驚いたオンライン・ナントカは、(新型コロナウィルス禍の)比較的に早い段…

カルタン微分計算系はいいぞ

昨日と一昨日話題にしたカルタン微分計算系〈Cartan calculus〉ですが、これはとても良いですね。知名度と人気はあまりないらしく、まとまった資料もないのですが、多様体上の微分計算を整理する枠組みとしてすごく便利です。3つのオペレータ d, L, i に関す…

カルタン微分計算系(とりあえず)

「微分インフラとはカルタン微分計算系」の続きです。カルタン微分計算系が満たすべき等式は、https://planetmath.org/cartancalculus に従うとして、それらの等式を載せる土台がまだハッキリしません。どの程度抽象的にすべきか? どのような下部構造を要求…

微分インフラとはカルタン微分計算系

「シュバレー/アイレンベルク関手の話 // 微分インフラとシュバレー/アイレンベルク関手」に次のように書きました。 多様体上で微分計算をするときに必要な演算〈操作〉には何があるでしょうか。並べてみます。 関数の偏微分 ベクトル場のリー微分 微分形…

黒魔術っぷりに驚いた! 古典テンソル計算での置換と対称化/反対称化

10年前に、ツビタノビッチ〈Predrag Cvitanovic〉のバードトラックを話題にしたことがあります。 バードトラック -- 群論的なファインマン図 ツビタノビッチ本は、そのときにチラリと眺めただけで、その後見返すことはありませんでした。が、たまたまバード…