2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化」にて: 比較的最近、フリッツ〈Tobias Fritz〉は、確率と統計を圏論的かつ統合的〈synthetic〉に扱うための枠組みとして、マルコフ圏〈Markov category〉を提案しています。...[sinp]...統合的〈s…
この記事は、5年前(2015-06-04)に書いた次の記事を再整理・敷衍したものです。もとの過去記事を参照する必要はありません*1。 測度的積分核と随伴構造 まず、「マルコフ核」の同義語が山のように(少なくとも20個は)あることは、次の記事を参照: ベイズ確…
あっ、そうか! そういうことか。昨日・一昨日と、フォングの因果セオリー論〈theory of causal theories〉を紹介しました。フォング論文で使われている語法・記法・図法が混乱・誤解をまねく〈confusing / misleading〉ものなので、「どうなの? コレ」と疑…
因果セオリー論〈theory of causal theories〉という奇妙な言葉については直前の記事「フォングの“因果セオリー”の理論」を見てください。直前の記事において、フォングのストリング図は「視認性が悪く、おすすめできませんね。」と否定的な言い方をしたので…
次の論文は、2012年に書かれたフォング〈Brendan Fong〉の修士論文です*1。 Title: Causal Theories: A Categorical Perspective on Bayesian Networks Author: Brendan Fong Pages: 77p URL: https://arxiv.org/abs/1301.6201 *2 タイトルが「因果の理論」…
一週間ほど前に、「経験分布」という言葉を聞いたのですが、これがよく分からない。経験分布は標本に対して定義されるらしいのですが、「標本」と「分布」といえば、“意味不明な用語の四天王”のなかの二つじゃないですか。こりゃ意味不明になるわな。 超曖昧…
マルコフ圏に出会って10日くらいですが、だいぶ気に入ってます。 5月9日 マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化 5月16日 マルコフ圏って、いいんじゃないのコレ フリッツ〈Tobias Fritz〉がマルコフ圏という俯瞰図を与えてくれたおかげで、…
「マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化」で紹介したマルコフ圏は、比較的に新しい概念です。 フリッツ〈Tobias Fritz〉が公理化して、新しい名前を付けた。 アイディアは新しくはなく、過去に同様な試みがあり、大量の実例もある。 フリ…
新型コロナウィルス禍は、誰にとっても酷い厄災なのですが、そのなかでポジティブな変化を探すなら、オンライン・ナントカが一般化したことでしょう。「オンラインではどうにもならない」ことも多いですが、「オンラインでもなんとかなるな」と発見した人も…
※ 追記あります。ジョニー(a.k.a. id:hiroki_f @hiroki_f)*1が、twitterで「埋め込まれた多様体の向き」のことをつぶやいていたのですが、最初、意味がよく分かりませんでした(ツイートなので致し方ない)。2,3度やり取りして、だいたい納得しました。ま…
比較的最近、フリッツ〈Tobias Fritz〉は、確率と統計を圏論的かつ統合的〈synthetic〉*1に扱うための枠組みとして、マルコフ圏〈Markov category〉を提案しています。僕が知る限り、次の論文がマルコフ圏に関するいちばん詳しい資料です。 Title: A synthet…
ふと思ったのですが、僕は「デカルト閉圏」に拘り過ぎかも。とある圏Cがデカルト閉圏でないと、それを理由に「Cは使いにくい」と僕は言うわけですが、これは偏見です。偏見とは「そう信じているが、その根拠を合理的に説明できない」拘りや思い込みです。「…
12年前に「きょうび、雑誌に投稿する人は」というエントリーを書いたのですが、短いので全文引用します。 「週刊朝日」2008 8/8号(07/25発行)に、水木しげる先生と次女の水木悦子さんの親子対談が載っているので買いました。「お便りクラブ」という読者投…
例題は次の数式です。このブログ内ではMathJaxによってクライアントサイドでレンダリングされます。LaTeXソースは次のとおりです(はてなブログではインライン数式です)。 \int_{t=a}^x f(t)dt = F(t) \Big|_{t=a}^x 空白を取り除くと: \int_{t=a}^{x}f(t)…
2019年の最後に「シュバレー/アイレンベルク関手の話」という記事を書きました。シュバレー/アイレンベルク関手がちゃんと定義できれば、ド・ラーム複体や共変微分からの外微分系列は、シュバレー/アイレンベルク関手から得られるはずです。なるべく一般…