このブログの更新は Twitterアカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama

メールでのご連絡は hiyama{at}chimaira{dot}org まで。

はじめてのメールはスパムと判定されることがあります。最初は、信頼されているドメインから差し障りのない文面を送っていただけると、スパムと判定されにくいと思います。

参照用 記事

2020-01-01から1年間の記事一覧

はてなブログでもXyJaxが使える、のか?

「はてなブログでもXyJaxが使える」で、自前で設定をすることによってXyJaxが使える、と書きました。確かに使えるのですが、問題もありますね。XyJaxの使用は、「はてなブログ」がサポートしているものではないので、「はてなブログ」オリジナルのMathJax機…

部分歪対称関数の歪対称化、少し短く

12月29日に書いた「部分歪対称関数の歪対称化」ですが、準備と計算が矢鱈に長ったらしくて、なんかショートカットがあるんじゃないか? という感じがしていました。年をまたぐ前にケリを付けたい。本質的には同じことをするのですが、幾分かは短く出来ること…

はてなブログでもXyJaxが使える

[追記]ムムム、単一記事の表示ではうまくいきますが、複数記事を表示すると、XyJaxのレンダリングが崩れてしまいますね(ブラウザ依存の現象のようです)。不完全です。[/追記][追記]「はてなブログでもXyJaxが使える、のか?」に問題点を書きました。[/追記…

部分歪対称関数の歪対称化

微分形式の計算で、とある式変形がサッパリ分からなかったのですが、組み合わせ的議論がガサッと省略されていました。その組み合わせ的議論をこの記事で補います。背後の事情がなるべく分かるように構成します。「関数の平均・偏差-分解と交代化・歪対称性」…

関数の平均・偏差-分解と交代化・歪対称性

とある説明に「交代化する」とか「‥‥は歪対称である」とかの言い回しが出てきたのですが、その意味がハッキリしませんでした。交代化はある種の平均を求める操作、歪対称性は(平均からの)偏差がゼロである事として特徴付けできそうです。やってみます。内…

有限的確率圏と多面体

台集合が有限集合である可測空間/確率空間は、測度論なしで扱うことができます。その他にも、有限集合ゆえの利点があります。有限集合を対象とする確率圏のホムセットは、多面体とみなせることも利点のひとつでしょう。内容: 有限的な圏 有限的な確率圏 多…

ブロックラムダ式

抽象的なセッティングで議論していても、最後は結局“具体的な計算”に頼ることはよくあります。具体的な計算には(インフォーマルな)ラムダ式/ラムダ計算が使われることが多いでしょう。具体的な計算をできるだけ楽にするために、ラムダ式の記法を工夫して…

長さが1のタプルと長さが0のタプル

昨日の記事「タプル1変数関数と多変数関数」の続きです。タプル1変数関数と多変数関数の区別なんて意識しないのが普通だと思いますが、単一の値 x と、その値だけを含む長さ1のタプル [x] って区別してますか? あるいはまた、長さ0のタプル [] って、この世…

タプル1変数関数と多変数関数

昨日(2020年11月28日)困惑していた方がいたのでフォロー記事。内容は一般的なので、このブログに書きます。タプル1変数関数と多変数関数を区別しなければならない状況として、複線形写像の話をして、最後に復圏と多圏に少し触れます。内容: 多値と多引数 …

3次元ユークリッド空間と余接バンドルのメタファー

我々が住んでいるこの空間は、常識的・直感的に3次元ユークリッド空間だとみなしていいでしょう。3次元ユークリッド空間を、多様体の言葉で表現するとどうなるでしょうか。3次元ユークリッド空間の多様体風定義の後で、余接バンドルに対するある種のメタファ…

アレンジメント計算 8: 計算練習

前回の「アレンジメント計算 7: AlmostSurelyEqual」において、二段ASE〈two-step ASE〉という概念を導入したのですが、この後あれは使わないかもなー(使う可能性も多少はあるけど)。まるっきり無駄だったというのもナンダカラ、計算練習の題材に使おう、…

アレンジメント計算 7: AlmostSurelyEqual

「アレンジメント計算 5: リンク積」において、リンク積の定義の難しさについて述べました: 難しさの要因は、マルコフ圏の条件化可能性公理にあります。条件化可能性公理を仮定すれば、任意の二部アレンジメントにその条件化(の結果)である射を対応付け…

アレンジメント計算 6: 用語・記法の整理

先に進む前に、用語・記法の整理をしておきます。既に、気になるオーバーロード/コンフリクト、記号の乱用が幾つか出てきているので、これらに注意を促しておきます。内容: 正規表現 確率測度、確率分布、条件付き確率 周辺、同時、条件、反転 確率変数、…

アレンジメント計算 5: リンク積

アレンジメント図は、幾つかのアレンジメントをワイヤーで繋いだ形をしています。ワイヤーで繋ぐとは何なのでしょうか? ワイヤーで繋ぐ操作に定式化を与えますが、この記事で完全な定義にまでは至っていません。内容: アレンジメントと因子グラフ 二部アレ…

アレンジメント計算 4: アレンジメント

アレンジメントは、三角形*1から何本かの脚が生えた図形、そしてその図形で表現される圏論的対象物です。今回はアレンジメントに対する操作と、その操作の絵図表現/テキスト表現について説明します。この記事での図の描画方向は「アレンジメント計算 1: 確…

アレンジメント計算 3: 絵算の基本技法

「アレンジメント計算 1: 確率グラフィカルモデル」にて: 次回は、Arrgmnt(P) の代数構造について述べる予定です。 えーと、第3回ですが、まだ基本的な話が続きます。絵算の基本事項で、今まで(このブログでは)明示的に語ってなかったことを補足します。…

アレンジメント計算 2: 簡単な実例と注意事項

「アレンジメント計算 1: 確率グラフィカルモデル」にて: 次回は、Arrgmnt(P) の代数構造について述べる予定です。 この予定は変更します。説明のための事例が欲しいので、簡単な事例を挙げます。事例を理解するには、圏論的確率論の予備知識は要りません…

アレンジメント計算 1: 確率グラフィカルモデル

マルコフ圏を気に入ってしまい(「マルコフ圏って、いいんじゃないのコレ」参照)、マルコフ圏の観点からフォング〈Brendan Fong〉の論文 "Causal Theories: A Categorical Perspective on Bayesian Networks" を読み直したりしました(「フォングの“因果セ…

忘却関手は難しい

昨日の記事「圏論的線形代数をもう少し: 自由ベクトル空間の圏」では、忘却関手という概念を使っています。昨日の記事での「忘却関手」は、ベクトル空間に台集合を対応させるものでしたが、他に次のような例もあります。 モノイドに、結合法則を要求しない…

圏論的線形代数をもう少し: 自由ベクトル空間の圏

昨日の記事「圏論的線形代数とフレームの話」の続きとして、自由ベクトル空間の圏を作ってしまいましょう。有限次元の自由ベクトル空間の圏は使い勝手が良い圏で、線形代数の難所であるテンソル積も比較的容易に構成できます。内容: 自由ベクトル空間の圏 …

圏論的線形代数とフレームの話

某所で圏論的線形代数の話をしたのですが、いきなり圏論バキバキでは面食らうだろうと思い、次のような方針にしました。 慣用の用語・記法は尊重する。 部分集合という概念を使う。 有限次元ベクトル空間に限定する。 忘却関手を強調しない。 これは、常識的…

指標モジュールの話を(いつか)したい

「多相関数: 補遺」にて: 多相関数、パラメトリック性/アドホック性、型クラスの正確な定式化には、かなりの抽象化が必要です。曖昧で錯綜した印象は、抽象化が足りてないからでしょう。ここらの話題も気が向いたら書くかも知れません(誰も興味なさそう…

Disintegrationは脱積分でよさそう

たまに disintegration という言葉に出会うのですが、辞書的な意味は: 分解、分裂、崩壊、風化作用、粉末化 とかです。が、integration が積分で、それに dis が付いたような気がします。気がするだけでよく分からないので、disintegration をなんと訳すの…

多相関数: 補遺

2020年9月に書いた一連の記事があります。 蒸し返し: アドホック多相 vs パラメトリック多相 多相関数の「パラメトリック性 vs 満足性」 多相関数と型クラス これらは多相関数に関する記事です。昨日の記事も多相関数を扱っています。 多相関数と依存型をち…

多相関数と依存型をちゃんと理解しよう

比較的最近(今年の9月)、多相関数の記事を書きました。「多相関数」「総称関数」という言葉は知っていても、理解があやふやな人もいそうです。基本的なところを復習しましょう。話を明確にするために、少し圏論を使います。[さらに追記]下の追記における「…

ボブ・クック教授による、対称とは限らないモノイド閉圏における絵の描き方

だいぶ以前の論文なのですが: Title: Lambek vs. Lambek: Functorial Vector Space Semantics and String Diagrams for Lambek Calculus Authors: Bob Coecke, Edward Grefenstette, Mehrnoosh Sadrzadeh Submitted: 2 Feb 2013 Pages: 29p URL: https://ar…

日常論理の数理論理

日常論理とは、我々の生活において、「もっともだ」とか「一理ある」として受け入れられている推論の体系だとしましょう。ムチャクチャな物言いとかトンデモな議論とかは相手にしません。いちおうは「論理」ですからね。常識的・世間的に「まーまー妥当だ」…

ベイズ確率論とデータベース理論の統合: カップル化可能圏

今年(2020年)の6月にマルコフ圏というものを知りました。 マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化 マルコフ圏の直接的応用は圏論的確率論(「圏論的確率論におけるCタイプとAタイプ」参照)ですが、他の分野への応用もありそうです。「マ…

ハイパーグラフ圏 一瞥

昨日の記事「ダンジョン圏における確率伝搬法」に出てきたダンジョン圏〈dungeon category〉は、最近はハイパーグラフ圏〈hypergraph category〉と呼ぶことが多いようです。(個人的には「ダンジョン圏」の語感が好きですが。) nLab項目: https://ncatlab.…

f(x)g(x) = 0 ⇔ f(x) = 0 or g(x) = 0 は誤り?? そんなバカな

f(x) g(x) =0⇔f(x) =0 or g(x) =0 はなぜ誤りなのですか?反例が存在すること以外での一般的な説明があれば教えてください。 質問の意味が分からないなー ‥‥?? でも、この質問に対する丁寧な回答が付いています。回答を見ると、質問者の意図は想像できます…