このブログの更新は Twitterアカウント @m_hiyama で通知されます。
Follow @m_hiyama

メールでのご連絡は hiyama{at}chimaira{dot}org まで。

はじめてのメールはスパムと判定されることがあります。最初は、信頼されているドメインから差し障りのない文面を送っていただけると、スパムと判定されにくいと思います。

参照用 記事

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

オペラッドの話

「オペラッド〈operad〉」という言葉は非常によく使われるのですが、僕は「オペラッド」の同義語として「複圏〈multicategory〉」を好んで使っていました。その理由は、「圏〈category〉 → 複圏〈multicategory〉 → 多圏〈polycategory〉」というきれいな拡…

圏スタンピング・モナドの代数は前層/余前層

「左加群は前層、右加群は余前層、双加群はプロ関手」の続きです。余前層としての右加群(または前層としての左加群)が、ファミリー〈集合族〉の圏上のモナドのアイレンベルク/ムーア代数になってるよ、という話です。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}…

続・有向コンテナと多項式コモナド: 錯綜整理

「有向コンテナと多項式コモナド」にて: モノイド類似構造である有向コンテナ〈圏〉構造が、多項式自己関手を台とするコモノイド構造として反映されるわけです。面白いですね。 面白そうなので、アーマン/ウウスタル〈Danel Ahman, Tarmo Uustalu〉以外の…

Diag構成の変種とその書き方

ある文脈では、図式と関手は同義語です。したがって、(ある文脈では)図式の圏とは関手圏のことです。図式の圏〈category of diagrams〉といった場合は、単一の関手圏ではなくて、域が異なる関手も含みます。つまり、図式の圏は、域に関してヘテロジニアス…

分かりにくさへの対処

「有向コンテナと多項式コモナド」の続きの話をしたいわけですが、まずは、コンテナ/多項式界隈の、概念・用語・記法のしっちゃかめっちゃかを整理するところから書き始めました。そしたら、一般論がだいぶ長くなってしまいました。一般論の部分を別記事に…

有向コンテナと多項式コモナド

コンテナ〈container〉は、アーボット/アルテンキルヒ/ガニ〈Michael Abbott, Thorsten Altenkirch, Neil Ghani〉等によって導入された、型理論と圏論に関わる概念です(「圏論的コンテナ」参照)。有向コンテナ〈directed container〉は、コンテナにモノ…

左加群は前層、右加群は余前層、双加群はプロ関手

プロ関手〈profunctor〉は、分布子〈distributor〉、双加群〈bimodule〉とも呼びます。関数〈function〉の一般化が distribution〈シュワルツ超関数〉だから、関手〈functor〉の一般化は distributor だろう、ということらしいです。"distribution" は意訳さ…

右カン拡張の eval は run

またダジャレです。「それでもカン拡張の左右を忘れてしまう」において、左右を憶えるために次のような随伴トリプルを出しました。$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}} \newcommand{\hyp}{\text{-} } \newcommand{\two…

圏の骨格の扱い方: 線形代数を例として

スケマティック系(「スケマティック系のために: 雑多な予備知識 // 絵図的手法とスケマティック系」参照)に関連して、圏の骨格を扱う必要があるのですが、意外とめんどくさい。一番典型的だと思われる、有限次元ベクトル空間の圏の骨格を事例として、圏の…

テンソルの計算法則の絵(ストリング図)

ここで言うテンソルは、圏論的に言えば、モノイド圏やトレース付きモノイド圏の射のことです。幾つかのインデックス〈添字〉が付いた配列みたいなモノと思ってもいいです。絵に描くと、脚〈legs〉が出た“テンソルボックス”達をワイヤーで繋いだ図形になりま…

コレクション改めクラスターの圏

「コレクション、対称性、シーケンス、色付け」において、構造(例えば全順序構造)が載った有限集合を「コレクション」と呼びました。データ構造としてのコレクションはそういったものなのでまー妥当だろう、と。しかし、コレクション〈collection〉は他の…

Diag構成: 圏論的構成法の包括的フレームワークとして

「スケマティック系のために: 雑多な予備知識 // Diag構成」でDiag構成について述べました。Diag構成を特殊化すると既存の色々な構成法になるので、Diag構成は、様々な構成法を包括的に扱うフレームワークとなります。また、「一般化されたファミリーの圏」…

多項式関手とその表現図

集合圏における多項式関手の定義に、次の図式(多項式関手の表現図〈representing diagram〉)が登場します。$`\quad\xymatrix{ I & B \ar[l]_{s} \ar[r]^{p} & A \ar[r]^{t} & J }\text{ in }{\bf Set}`$なんでこれが多項式関手の定義なんだ? と思います。…

群の作用がナントカ -- おぼえられない

「群の作用がナントカ(形容詞)」という文言にたまに出会います。毎回意味を調べるのですが、憶えられない。毎回忘れる。https://mathworld.wolfram.com/ で調べてみます。$`\newcommand{\Imp}{ \Rightarrow }\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}`$ 自由〈fr…

人名の発音: Girard, Guiraud, Giraud

2009年に書いた記事: ジラーとギロー そこで話題にしたのは、 線形論理の創始者である Jean-Yves Girard 高次元の証明論をやっている Yves Guiraud 同一人物かと思ったが別人で、名前の読み(カタカナ表記)は「ジラー」「ギロー」がよいかな、と。そんなこ…

複雑な定義の構文構造

以下のナタニエル・アーカーとディラン・マクダルメットの論文に、カン拡張と同様な、“左または右”の“拡張または持ち上げ”(正規表現で書くなら {左 | 右}{拡張 | 持ち上げ})の定義が出てきます。 [AM23] Title: The formal theory of relative moanads Aut…

バエズ/ドーラン・ツリー: 幾何的な定式化

バエズ/ドーラン・ツリーは、視覚化可能な組み合わせ構造で、その定義は純組み合わせ的〈purely combinatorial〉であるのが望ましいのです。しかし、純組み合わせ的な定義や説明は面倒で分かりやすくありません。幾何的定義を併用したほうが直感的な理解が…