以前(2007年秋)、「言葉は通じることが一番だいじ」というエントリーを書いたことがあります。既に多くの人々が使用している言葉使いに「正しい/正しくない」を議論してもしょうがないだろう、という話です。例えば、ら抜き言葉に僕自身はいまだに違和感を感じますが、「正しくない」とは思いません。
しかし、多くの人々が使用している言葉使いから勝手にカンチガイで逸脱するのは、やっぱりみっともない。インターネット上の報道では、その日本語への要求水準は低いような気もしますが、誤用にあまりにも無頓着なのは恥ずかしいと思うけどなぁ。それで、次のようなエントリーを書いたこともあります(今年5月):「その日本語はどうなの」。
ここで問題にした言葉使いは次でした。
- 批判が湯水のように湧き出る。
さて、今日も、「過労のナイナイ岡村、イボ痔だった!! 松本人志もダウン! 40代芸人たちのプレッシャー」(http://news.livedoor.com/article/detail/4883640/)なるニュース(?)記事に:
- 自ら「俺ってイボ痔やねん」と豪語しており、
コレ、「豪語」って言葉の意味を知っていて使ってる? 威勢のいいことを大げさに自慢げに言うことだよね。「大言壮語」とかに近い。岡村さんは、職業上自虐的に笑いを取りにいくことはあるでしょうが、イボ痔の告白を自慢げに言わないと思うけど。
もうひとつ、ちょっと古い記事「人気アイドルが鬱状態でブログ全削除!! 芸能界で相次ぐ若き心の病」(http://news.livedoor.com/article/detail/4818326/)にて:
- 新生アイドルグループの登場で、にわかに"アイドル戦国時代"と揶揄される今日この頃だが、
コレ、「揶揄」って言葉の意味を知っていて使っている? 皮肉混じりにからかう、小馬鹿にしたように批判することだよね。「アイドル戦国時代」は皮肉で言っているのかな(そうでないとは言い切れないが)。
特殊な文脈であれば、完全に誤用とは言えないかもしれませんが、適切じゃない。これは「もう少し国語の勉強して、辞書引きなよ」と言いたくなります。下世話な記事とはいえ、書いてる人々はシロートではないでしょ、一応は*1。