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参照用 記事

デカルト圏、こんな定義もあります

Cデカルト圏だとは次のことです。

  1. Cには終対象がある。
  2. Cには二項の直積がある。

この2つのことから、すべての有限離散図式の極限の存在は保証できます。

上記のデカルト圏の定義を言い換えてみましょう。この言い換えは、次の概念を確認するために良い練習問題です。

  1. デカルト
  2. 圏の直積(圏のなかの直積ではなくて、2つの圏の直積)
  3. 随伴関手

まず、1を単一対象の自明な圏とします。

  • Obj(1) = |1| = {*}
  • Mor(1) = {id*}

Cから圏1への関手は一意的に決まるので、それをSとします。S:C1

次に、圏Cの自分自身との直積(自乗)C×C を作り、対角関手をDとします。D:CC×C

まとめると:

  • S = λx.* : C1
  • D = λx.(x, x) : CC×C

関手SとDは、どんな圏に対しても定義できます。Cデカルト圏であることは、次のように言えます。

  1. S:C1 に右随伴関手が存在する。
  2. D:CC×C に右随伴関手が存在する。

Sの右随伴をT、Dの右随伴をPとすると、次のように書けます(イコールは自然な同型)。

  1. 1(S(X), *) = C(X, T(*))
  2. (C×C)(D(X), (A, B)) = C(X, P(A, B))

T(*)がCの終対象、P(A, B)がAとBの直積を与えます。