相対モナド $`T`$ を、記号の乱用をしないで書くと:$`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}} \newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}} % \quad T = (C^T, \eta^T, \mrm{Ext}^T)/J `$ ここで、$`J:\cat{C}\to \cat{D}`$ はルート関手〈root functor〉とします。各構…
相対モナドのクライスリ圏は簡単に作れます。が、アイレンベルク/ムーア圏はそれほど簡単ではありません。アイレンベルク/ムーア代数の定義はやや奇妙です。しかし、相対モナドの拡張スタイルの定義とは相性が良い定義になっています。$`\newcommand{\cat}…
最近、データベースに関する記事「概念的に単純明快合理的なデータベース問い合わせ言語 その1」を書きました。それで、データベース関連のキーワードで検索しているうちに、すごく面白いモノを見つけてしまいました。とりあえず「コレは面白そうだ」と言っ…
データベースの話をしようと思ったのですが、そこで使う疑似コード用の疑似問い合わせ言語の説明が長くなってしまうので、独立した記事にしよう、と。この記事がそれです。が、1回分にはまだ長いので、この記事は「その1」です。データベースの問い合わせ言…
「スケマティック系の振り返りと整理」の続きです。前回触れなかった2つのことを述べます。 例外辺と例外ループの扱い方 スケマティック系の構成素達とその相互関係 $`\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}} \newcommand{\mbf}[1]{\mathbf{#1}} \newcommand{\m…
スケマティック系(最初の名前はスケマティック圏)を考え始めたのは2023年夏です。2024年はスケマティック系について考える機会はそれ程ありませんでした。スケマティック系に関する過去記事は、以下のハブ記事からリンクがあります。 スケマティック系のハ…
半グラフに関する過去記事を見返していて、「これマズイな」と思ったところがあります。 半グラフの併置を余デカルト積〈圏論的直和〉だと書いていた。 半グラフ変形に切断〈cut〉を入れていた。 明白に間違っていた箇所は一箇所ずつで、追記で修正すれば済…
「あー、なんか分かったかも」という気分。半グラフ達が作る圏や複圏〈オペラッド〉に関して長いことモヤモヤしてたのですが、霧が晴れそうです。これで、スケマティック系のまともな定式化も出来そう。要するに道具立てが足りてなかったのです。その道具立…
最近また半グラフに興味を持っています。半グラフの定義は色々あるので、「半グラフの様々な定義」と「強化ファインマン・グラフとバタニン/バーガー半グラフ」で各種の定義を紹介しています。一番扱いやすい半グラフの定義は、ボリソフ/マニンによるもの…
集合上に同値関係があると、商集合を作れます。もとの集合から商集合に向かって標準射影(と呼ばれる全射)が作れます。集合を対象として標準射影だけを射とする圏を作りたいと思います。なぜ標準射影だけを射とする圏が欲しくなったかと言うと、半グラフ達…
以下の過去記事達で属性付きn-グラフ(主に n = 0, 1, 2)について述べました。 属性付き2次元グラフ: 図式言語の基本 属性付き2-グラフのスノーグローブ現象 属性付きn-グラフはいけてる この記事では、グラフ〈有向グラフ〉を半グラフ〈無向半グラフ〉に…
サプライ〈supply〉は、フォングとスピヴァックにより定義された、対称モノイド圏に対する付加的構造のことです。 [FS19-20] Title: Supplying bells and whistles in symmetric monoidal categories Authors: Brendan Fong, David I Spivak Submitted: 7 Au…
状態遷移系に関する補足小ネタ その2:「状態遷移系達の二重圏の直接的定義」で定義したグロタンディーク・レンズの圏を $`\mathbf{Lens}`$ 、単純レンズ〈元祖レンズ〉の圏を $`\mathbf{SimpLens}`$ とします。$`\mathbf{SimpLens}`$ を $`\mathbf{Lens}`$ …
直前の記事とそのひとつ前の記事に、注釈を追記しました。「マイヤースのシステム理論への違和感と代替案」への追記: 思いつきを記したのですが、この思いつきをちゃんとした形にするのはだいぶ難しいようです。入出力によって結合した複合システム $`\Phi;…
「マイヤースのシステム理論への違和感と代替案」で述べたIOCシステム〈入力・出力・制御付きシステム〉と、制御インターフェイスへのラッパーについて、具体的な定義を提示します。背景となる圏は集合圏としますが、デカルト圏や対称モノイド圏への拡張は難…
思いつきのメモ。7月22日の記事「状態遷移系達の二重圏の直接的定義」において、マイヤース〈David Jaz Myers〉の圏論的システム理論〈categorical systems theory〉を紹介しました。7月22日記事において、「違和感/ズレ」という言葉を何度も使っています。…
状態遷移系に関する補足小ネタ その1:「状態遷移系達の二重圏の直接的定義」において、状態遷移系をバンドルのあいだのレンズ射として定式化しました。状態遷移系(=レンズ射)を図式に描くとき、野球のホームベース形に描くと具合がいいです。$`%\newcomm…
ジャズ・マイヤース〈David Jaz Myers〉が、Categorical Systems Theory のなかで、「アリーナの二重圏」という概念を定義しているのですが、なんだかピンとこない。実例を考えてみました。具体的な状態遷移系をタイト射とする二重圏です。この具体的な状態…
簡単な呼び名・言い回しで実は複雑な内容を語っていることがあります。簡単な呼び名・言い回しを、ドリルダウン(だんだん詳細化する)方式で分析してみましょう。例えば「小さな圏の圏の2-圏」は、けっこう複雑な内容を表しています。$`\newcommand{\cat}[1…
「判断的セオリーと判断計算」で紹介したコラリア/ディ-リベールティの論文 "Context, Judgement, Deduction" は、「演繹〈deduction〉とは何なのか?」をテーマにしています。「メリス/ジルバーガーの圏論的判断計算」で紹介したメリス/ジルバーガーの論…
「属性付き2-グラフのスノーグローブ現象」に書いたように、属性付き2-グラフではメタ巡回〈循環〉的状況が生じます。しかし、これは困ったことではなくて、むしろ望ましいことである気がします。「属性付き2-グラフのスノーグローブ現象 // おわりに」より…
「属性付き2次元グラフ: 図式言語の基本」において、図式、形状、テンプレートについて説明しました。次のように述べました。 形状と図式は違う概念である。 テンプレートは、特別な場合として形状も図式も含む一般的概念である。 ところが次も言えます。 …
「コラージュ図式: 圏論的判断計算の主要な道具 // コラージュ図式」より: コラージュ図式〈collage diagram〉は、ここでの判断計算の主役です。通常の図式と同様に、形状〈shape〉である図形の各セルにターゲット・ドクトリン内のモノを割り当てます。た…
「判断的セオリーと判断計算」においてコラリア/ディ-リベールティの判断計算を、「メリス/ジルバーガーの圏論的判断計算」においてメリス/ジルバーガーの判断計算を紹介しました。コラリア/ディ-リベールティはちょっと複雑過ぎる印象で、メリス/ジル…
メリス/ジルバーガーの次の論文をチラ見・拾い読みしました。 [MZ13-][MZ15] Title: Functors are Type Refinement Systems Authors: Paul-André Melliès, Noam Zeilberger Year: 2015 Pages: 14p URL: https://www.irif.fr/~mellies/papers/functors-are-t…
「判断形式を普通に書く」より: 型理論の判断形式を使うと、非常に簡潔に書けます。しかし、簡潔さの代償として、多くの情報を暗黙化します。コラリア/ディ-リベールティも簡潔な記述を目指しているので、えげつない「記号の乱用、短縮記法、完全な省略」…
前回の記事「判断形式を普通に書く」で、コラリア/ディ-リベールティの次の論文を参照しました。 [CL21-24] Title: Context, Judgement, Deduction Authors: Greta Coraglia, Ivan Di Liberti Submitted: 17 Nov 2021 (v1), 1 Nov 2024 (v3) Pages: 61p URL…
型理論の人々は「判断形式で書かないと死んでしまう」のでしょうか? そして、判断形式にターンスタイル('$`\vdash`$')とコロン('$`:`$')以外使ったら死んでしまう」のでしょうか?ターンスタイルとコロンへの執着は、もはや「好みの問題」の域を超えて…
圏論的概念は、可換図式やペースティング図を使って定義や記述がされます。テキスト構文で書けないわけではないですが、矢鱈に煩雑になります。現実的には、図式なしではやっていけません。この記事では、図式による定義を、明確かつ簡潔に書くためのフォー…
ヒルベルトのイプシロン記号は、集合からその要素を気まぐれに(まったく予測できないスタイルで)取り出す操作です。ヒルベルトのイプシロン記号が便利な場面や必須な場面があります。しかし、ヒルベルトのイプシロン記号に空集合を渡したときの挙動がよく…