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参照用 記事

圏論的線形代数をもう少し: 自由ベクトル空間の圏

昨日の記事「圏論的線形代数とフレームの話」の続きとして、自由ベクトル空間の圏を作ってしまいましょう。有限次元の自由ベクトル空間の圏は使い勝手が良い圏で、線形代数の難所であるテンソル積も比較的容易に構成できます。内容: 自由ベクトル空間の圏 …

圏論的線形代数とフレームの話

某所で圏論的線形代数の話をしたのですが、いきなり圏論バキバキでは面食らうだろうと思い、次のような方針にしました。 慣用の用語・記法は尊重する。 部分集合という概念を使う。 有限次元ベクトル空間に限定する。 忘却関手を強調しない。 これは、常識的…

指標モジュールの話を(いつか)したい

「多相関数: 補遺」にて: 多相関数、パラメトリック性/アドホック性、型クラスの正確な定式化には、かなりの抽象化が必要です。曖昧で錯綜した印象は、抽象化が足りてないからでしょう。ここらの話題も気が向いたら書くかも知れません(誰も興味なさそう…

Disintegrationは脱積分でよさそう

たまに disintegration という言葉に出会うのですが、辞書的な意味は: 分解、分裂、崩壊、風化作用、粉末化 とかです。が、integration が積分で、それに dis が付いたような気がします。気がするだけでよく分からないので、disintegration をなんと訳すの…

多相関数: 補遺

2020年9月に書いた一連の記事があります。 蒸し返し: アドホック多相 vs パラメトリック多相 多相関数の「パラメトリック性 vs 満足性」 多相関数と型クラス これらは多相関数に関する記事です。昨日の記事も多相関数を扱っています。 多相関数と依存型をち…

多相関数と依存型をちゃんと理解しよう

比較的最近(今年の9月)、多相関数の記事を書きました。「多相関数」「総称関数」という言葉は知っていても、理解があやふやな人もいそうです。基本的なところを復習しましょう。話を明確にするために、少し圏論を使います。[さらに追記]下の追記における「…

ボブ・クック教授による、対称とは限らないモノイド閉圏における絵の描き方

だいぶ以前の論文なのですが: Title: Lambek vs. Lambek: Functorial Vector Space Semantics and String Diagrams for Lambek Calculus Authors: Bob Coecke, Edward Grefenstette, Mehrnoosh Sadrzadeh Submitted: 2 Feb 2013 Pages: 29p URL: https://ar…

日常論理の数理論理

日常論理とは、我々の生活において、「もっともだ」とか「一理ある」として受け入れられている推論の体系だとしましょう。ムチャクチャな物言いとかトンデモな議論とかは相手にしません。いちおうは「論理」ですからね。常識的・世間的に「まーまー妥当だ」…

ベイズ確率論とデータベース理論の統合: カップル化可能圏

今年(2020年)の6月にマルコフ圏というものを知りました。 マルコフ圏 A First Look -- 圏論的確率論の最良の定式化 マルコフ圏の直接的応用は圏論的確率論(「圏論的確率論におけるCタイプとAタイプ」参照)ですが、他の分野への応用もありそうです。「マ…

ハイパーグラフ圏 一瞥

昨日の記事「ダンジョン圏における確率伝搬法」に出てきたダンジョン圏〈dungeon category〉は、最近はハイパーグラフ圏〈hypergraph category〉と呼ぶことが多いようです。(個人的には「ダンジョン圏」の語感が好きですが。) nLab項目: https://ncatlab.…

f(x)g(x) = 0 ⇔ f(x) = 0 or g(x) = 0 は誤り?? そんなバカな

f(x) g(x) =0⇔f(x) =0 or g(x) =0 はなぜ誤りなのですか?反例が存在すること以外での一般的な説明があれば教えてください。 質問の意味が分からないなー ‥‥?? でも、この質問に対する丁寧な回答が付いています。回答を見ると、質問者の意図は想像できます…

ダンジョン圏における確率伝搬法

昨日の記事「確率グラフィカルモデルの背後にある圏は何か?」の課題にドンピシャで役立ちそうな論文を見つけました。 Title: Belief propagation in monoidal categories Author: Jason Morton Pages: 8p URL: https://arxiv.org/abs/1405.2618 短い論文で…

確率グラフィカルモデルの背後にある圏は何か?

確率的不確定性を伴う状況の記述や分析の手法に確率グラフィカルモデル〈probabilistic graphical model〉があります。ベイズネットワーク〈Bayesian network〉が有名です。ベイズネットワークは有向グラフを使いますが、無向グラフを使うグラフィカルモデル…

接続係数はなぜテンソルじゃないのか(テンソルなんだけど)

多様体の話で接続係数というものが出てきます。「接続係数はなぜテンソルじゃないのですか?」と聞かれると困ってしまいます。なぜなら、接続係数はテンソルだからです。「接続係数はテンソルである」という事実を考慮すると、質問は次の形になります。 接続…

随伴系の反転置写像とモナドのクライスリ拡張

用語と記号のオーバーロード〈多義的使用〉はホントに悩みのタネです。混乱と誤解を避けるためにオーバーロードはやめようと思うことは多いのですが、あまり律儀にオーバーロード解決すると用語と記号のインフレーション〈急激な増加〉を引き起こして現実的…

丸く収まらなかった基底とフレーム

今年の8月に「基底とフレーム、丸く収まる妥協案」という記事を書きました。その記事で、混同されがちな3つの概念を区別して、それぞれに別な名前を与えました。「うまくいった」と思ったのですが、まだ問題がありました。内容: 定義が狭すぎた 準備 再定義…

論理代数としての単位区間と確率的論理

「ベイズ確率論、ジェイコブス達の新しい風」で紹介したチャンネル方式〈the channel perspective, the channel approach〉では、状態(確率測度の別名、確率分布でも同義)と述語〈ファジー述語〉を双対的に扱います。述語はもちろん状態ではありません。ジ…

マルコフ核の随伴公式とフビニの定理

昨日の「拡張スタイルのジリィモナド」にて: 随伴公式は積分のフビニの定理です。ただし、マルコフ核が絡むと、単純なフビニの定理と少し違った形になります。単純なテンソル積測度ではなくて、依存テンソル積とでも呼ぶべき構成が必要です。が、この話題は…

拡張スタイルのジリィモナド

「絵算で見る、拡張スタイルのモナドとモノイド・スタイルのモナド」にて: 拡張スタイルは ...[snip]... モナド法則の証明がモノイド・スタイルより容易になる場合があります。 このことの実例として、ジリィモナドを拡張スタイルで記述してみましょう。モ…

絵算で見る、拡張スタイルのモナドとモノイド・スタイルのモナド

「Haskellの二重コロン「::」とバインド記号「>>=」の説明」で、拡張スタイルのモナドとモノイド・スタイルのモナドの話題が出ました。この話題はだいぶ昔に書いたことがありますが、絵算の応用として「拡張スタイル ←→ モノイド・スタイル」の相互変換をし…

Haskellの二重コロン「::」とバインド記号「>>=」の説明

圏論はある程度知っているけど、Haskellの記号との対応がよく分からない人のための説明です。内容: 二重コロン バインド記号 適用と結合 二重コロンHaskell風構文で f::A -> B と書かれていたら、二重コロンは単一コロンにして f:A → B と解釈すればいい --…

ひょっとして? Excelシートに画像貼り付けの理由

エラーやバグの報告で、画面ショットを添付することがあります。GUIアプリケーションではそれが当然でしょうし、画面ショットを付けてくれないと困ることも多いでしょう。ですが、コンソールに出力されたテキストメッセージの画面ショットを何枚かとって、そ…

測定と尺度

長めのCha話会の記録用メモ(1トピックのみ)。内容: アフィン空間の圏 群の主等質空間 測定の分類 アフィン空間の圏圏の定義と、著名な幾つかの圏(例えば↓)については知っているものとします。 Set(集合と写像の圏) Ord(順序集合と単調写像の圏) Vec…

恒等射の書き方

圏論の基本的な記法に、dom, cod, id があります。f dom(f), f cod(f), A idA、idだけ引数〈argument〉が下付きで入るんですよね。id(A)としなかったのは、id(A)が関数のとき、関数の引数を渡すと id(A)(x) となるからでしょう。丸括弧で囲まれた引数が続く…

高次圏を考慮した指標の書き方

多相関数の話はもうしません(一段落ついた)。ですが、「多相関数と型クラス // 指標:いつもの事例で」で、指標の例を出したので、指標の話を続けようかな。高次圏論を考慮して指標の構文を決めるとどうなるか、という話です。内容: 指標:いつもとチョッ…

ツリーデータ型のモナド

ある種のツリーデータ型はモナドにできます。[追記]この記事は十何年か前に書いておくべきだったのかも知れません。当時は、ツリーデータ型のモナドは自明な事実に見えてました(ツリーばっかりいじっていたからなー)。が、「えっ、そうだったの」と思う人…

多相関数と型クラス

面白い偶然が起きることがあります。ごく最近、次の記事を書きました。 2020年9月7日 蒸し返し: アドホック多相 vs パラメトリック多相 2020年9月8日 多相関数の「パラメトリック性 vs 満足性」 そして9月8日と9月9日(昨日)、4年前の記事にkhibinoさんか…

多相関数の「パラメトリック性 vs 満足性」

「アドホック多相」「パラメトリック多相」という言葉は、ハッキリとした定義がないままに使われることが多いようです。その実情を追認、あるいは実情に迎合して「どうせ定義がイイカゲンなんだから、イイカゲンに使えばいいよね」と述べたのが「「アドホッ…

蒸し返し: アドホック多相 vs パラメトリック多相

一年ほど前に「「アドホック多相 vs パラメトリック多相」をマジメに考えてはいけない」という記事を書きました。多相性を二種類に分類できるわけではなくて、パラメトリック性(あるいはアドホック性)はしょせん程度問題だ、という話です。「関数定義がひ…

性別は決定可能か?

「人が男か女か」は容易に決定できると、なんとなく思っていますが、事情はそう簡単ではないですね。架空の人物Aさんを考えましょう。Aさんは男として生まれ男として育ったとします。いわゆる“性転換手術”を受けて女性として性風俗店で働き、現役引退して経…