発端は郡司ペギオ-幸夫さんネタですが、以下は、完全にそれとは独立した圏論の練習問題とみなせます。
問題-1
Cは圏として、A∈|C| を任意に選んだ(しかし特定の)対象とします。Cの部分圏Dで、次の条件を満たすものを定義(構成)してください。
- |D| = |C|\{A} (「\」は集合差)
- 上の条件を満たす圏のなかではDが最大である。
問題-2
Cは圏として、f:A→B を任意に選んだ(しかし特定の)射とします。Cの拡張圏D(CはDの部分圏)で、次の条件を満たすものを定義(構成)してください。
- それまでCには含まれてなかった対象B'と2つの射f':A→B', b:B'→B を含む。
- f';b = f が成立する。
- 上の条件を満たす圏のなかではDが最小である。
問題-3
問題-1、問題-2の構成を使って、なにか面白い応用を考えてみてください。*1
背景
問題-1、問題-2はそれぞれ、郡司さんが「合成の無効化」、「恒等射の無効化」と呼んでいた概念の檜山による定式化です。ただし、なんとか辻褄を合わせようと僕が相当に無理して変形したもので、郡司さんの真意とは全くかけ離れたシロモノかもしれません。
しかし、不毛な作業に少しでも前向きな意味を与えるためには、郡司さんを反面教師としながら、圏論/論理/代数などの練習問題を抽出してみるという態度はいいのかな、っと思った次第。「具体的に具体的に具体的に具体的に」(4回繰り返し)とはどういうことか - 檜山正幸のキマイラ飼育記 の追記で言っている「思いつき」とはこれです。
[追記]コメント欄:
コメント欄だと、リンクがたどれないので、転記します。
コメント:
専門家といっていい辻下徹さんはペギオさんを絶賛していますよね
それはどうなんでしょうnuc:
僕もそれ興味あります。
直接褒めている或いは解説している文献ありましたら紹介をお願いできませんか。bonotake:
ぐぐったらちょこちょこ出てきました。今見つけたばっかりでちゃんと読めてないんですが。
- http://ac-net.org/tjst/doc/tjst/99b-futeisei-101.pdf
- http://ac-net.org/tjst/doc/announce/am99.html (講義資料へのリンクあり)
あと、ここから辿れる一連の議論は参考になりそうな。
*1:もちろん、この問題に唯一の正解はありません。ひょっとして(ものすごくひょっとすると)、郡司さんはこの問題に解答したのかもしれません。が、僕には「面白い応用」になっているとは思えません。