2017年最初のコメントとして、内海さんから次の情報を教えていただきました; 2016年12月30日に、レンスター(Tom Leinster)の書籍"Basic Category Theory"がオンラインに無料公開されました。
※ 書籍の表紙画像が表示されないときは、このページをリロードしてみてください。
Basic Category Theory (Cambridge Studies in Advanced Mathematics)
- 作者: Tom Leinster
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 2014/07/24
- メディア: ハードカバー
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- Title: Basic Category Theory
- Author: Tom Leinster
- AuthorHomePage: http://www.maths.ed.ac.uk/~tl/
- Pages: 191
- URL: https://arxiv.org/abs/1612.09375
目を通してないので内容に立ち入ったコメントは出来ませんが、目次を見る限り、極限と随伴までを丁寧に解説している本のようです。著者のレンスターは信頼できる人なので、入門書として選んで間違いはないでしょう。
[追記] 日本語版商業出版物の案内[/追記]
文献を紹介した過去記事の一覧
「圏論の本を教えてください」と聞かれることがたまにあります。過去に何度か文献をまとめたことがあるので、それらのエントリーへのリンク(文献への間接参照)を以下にまとめます。この記事内では、文献のタイトルと著者だけ示します。参照を何度かたどれば、圏論の文献に到達できます。並び順は、古い記事から新しい記事の順です。
2006年記事:圏論とラムダ計算の参考書
- 『プログラム意味論』 / 横内寛文
- "Categorical Logic and Type Theory" / B. Jacobs,
- "Handbook of Categorical Algebra 2" / Francis Borceux
- "Categories and Computer Science" / R. F. C. Walters
- "Introduction to Higher-Order Categorical Logic" / J. Lambek, P. J. Scott
『プログラム意味論』には圏論のコンパクトな解説が含まれます。"Handbook of Categorical Algebra"は、1, 2, 3の三部からなる大作です。
2007年記事: 書評:理工系のための トポロジー・圏論・微分幾何
2009年記事: 竹内さんの『層・圏・トポス』を読む人達へ
- 『層・圏・トポス 現代的集合像を求めて』 / 竹内外史
2013年記事: スピヴァックの圏論教科書 Category theory for scientists
- "Category theory for scientists" / David I. Spivak
2013年記事: スピヴァックによる圏論文献案内と、彼の本の位置付け
- "Conceptual Mathematics: A First Introduction to Categories" / F. William Lawvere, Stephen H. Schanuel
- "Categories for the Working Mathematician" / Saunders Mac Lane
- 『圏論の基礎』 / Saunders MacLane, 三好博之, 高木理
- "Category Theory" / Steve Awodey
- "Category Theory for Computing Science" / Michael Barr, Charles Wells (online)
2013年記事:余代数を知りたいなら、これだ
- "Introduction to Coalgebra" -- Towards Mathematics of States and Observations / Bart Jacobs (online)
2016年記事: 無料で入手できる本格的(紙なら高額)な理数系専門書15選
- "Category Theory for the Sciences" / David I. Spivak (online)
- "Higher Topos Theory" / Jacob Lurie (online)
- "Tensor Categories" / Pavel Etingof, Shlomo Gelaki, Dmitri Nikshych, Victor Ostrik (online)
- "Lectures on Tensor Categories and Modular Functors" / Bojko Bakalov,Alexander Kirillov (online)
- "Monoidal Functors, Species and Hopf Algebras" / Marcelo Aguiar, Swapneel Mahajan (online)
- "Homotopy Theory of Higher Categories" / Carlos T. Simpson (online)
補足
どれが良いかは、目的や予備知識によって変わるので一概には言えません。日本語の入門書で、僕が簡単なコメントと注意書きを付けたのは次の2冊です。
マックレーンのバイブル本を僕はあまり推奨しないのですが、その理由はスピヴァックが書いているので、その引用を読んでみてください。
圏論のご利益を知りたいなら、丸山さんの論説はいいかも知れません。[追記]残念ながら、PDFがダウンロード出来なくなっているようです。[/追記]
ビデオ教材なら、ウィラートンとチェンのシリーズがあります。
まったく何も知らない状態なら、僕が書いた入門記事が、最初の取っ掛かりとして多少の役には立つかも知れません。