「圏論的レンズ 最初の一歩: ストリング図を中心に」において、レンズには有法則レンズ〈lawful lens〉と無法則レンズ〈lawless lens〉があると書きました。「有法則/無法則」という形容詞を使うのは初めて見ました(レンズ以外で見たことがなかった)。
この「有法則/無法則」、他でも使えますね。曖昧多義語の解決に役立ちそう。けっこう困っていたのは、自己関手の「代数〈algebra〉」という言葉です。
用法その1の“代数”は単なる射ですが、用法その2の“代数”は次の法則(図式の可換性)を満たします。
用法その1の“代数”を無法則代数〈lawless algebra〉、用法その2の“代数”を有法則代数〈lawful algebra〉とすれば区別できます。単なる「代数」をどう解釈するかは文脈ごとのデフォルトルールで決めます。
個人的には、用法その2のアイレンベルク/ムーア代数を単に“代数”と呼び、用法その1の“代数”はマグマ(-マグマ)と呼ぶことにしてた時期がありますが、ほとんどの人々が「代数」を使っているので社会的不適合が生じます。「代数」に形容詞「有法則/無法則」付けるほうが社会的適合性がある気がします。