「コンパクト閉圏と絵算で理解する線形代数とシーケント計算(入り口だけ)」にて:
「f, ∩f, f∪ の三位一体」を基礎に据えて、コンパクト論理のシーケント計算を道具にして線形代数(の初歩)を展開するのは面白いなー、と思っています。そのことをチャント書いたことはないので、まー、いつか書くかも。
今日のうちに書く? それはない。ほんの少しだけ補足を。
コンパクト閉圏/コンパクト論理、そして絵算の観点から、線形代数の肝は何でしょう。僕は次の事実だろうと思います。
- 線形写像 f:V→W に対して、その双対 f*:W*→V* が決まる。
- V**とVは標準的に同型である。そして、f**とfも同一視可能である。
- 双線形形式 V×W→K (Kはスカラー体)と、線形写像 V→W*(または W→V*)が1:1に対応する。
こういうことをキチンと確認しておけば、面白い性質を導くことができます。例えば、次のような等式(同型性)が成立します。以下で、「∩」と「∪」は集合の演算ではなく、カーブ型の絵で表される射とします。「1」は恒等射、「×」はテンソル積です。
- ∩1 = ∩
- 1∪ = ∪
- (1×∩f);(∪×1) = f
- (1×∩);(f∪×1) = f
- (∩f×1);(1×∪) = f*
- (∩×1);(1×f∪) = f*
- (∩f×∩g);(1×∪×1) = ∩(f;g)
- (1×∩×1);(f∪×g∪) = (f;g)∪