昨日の記事「「全角ハイフンはダメ、全角マイナスならOK」と言われた、なんのこっちゃ?」に対するid:C_Lさんのブックマークコメントに、次のように書いてありました:
区点コード0130の全角ハイフンじゃないかな
区点コード0130というのは Unicode Character 'HYPHEN' (U+2010) にマップされるようです。マイナス記号専用の文字 Unicode Character 'MINUS SIGN' (U+2212) もあります。えむけいさんのコメントにより詳しい情報があります。
横棒の形をした文字をまとめてみると(実際の形は、お使いのフォントのデザインに依存します):
名前 | 文字番号(コードポイント) | 実際の形 |
---|---|---|
HYPHEN-MINUS | U+002D | - |
FULLWIDTH HYPHEN-MINUS | U+FF0D | - |
HYPHEN | U+2010 | ‐ |
MINUS SIGN | U+2212 | − |
KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK | U+30FC | ー |
HORIZONTAL BAR | U+2015 | ― |
FIGURE DASH | U+2012 | ‒ |
EN DASH | U+2013 | – |
EM DASH | U+2014 | — |
このテの話は、技術的なうんちく・トリビアとしては面白いですね。
しかし、そこが論点じゃないのですよ。
もともと、Webフォームからの住所入力の話ですよ。住所入力ね! 何丁目何番地の情報が伝わればいいわけよ。区切り記号のコードポイントがユープラスのなんぼなんぼ(U+nnnn)なんて、ほんっとにどうだっていい。だって住所入力ですよ、住所。
僕は超悪筆なので、手書きが苦痛で大っ嫌いですが、でも「この横棒、HYPHEN に見えますので、MINUS SIGN か FULLWIDTH HYPHEN-MINUS に見えるように書きなおしてください」と言われたことはないですよ。超悪筆でも何丁目何番地の情報が伝われば許してもらえました。
コードポイントやグリフに対してある程度の知識を持つ人のあいだでも「全角ハイフンを入力されている場合は全角マイナスを入力してください。」という文言の解釈が議論(つうか面白いネタ)になってしまうわけですから、こう言われて理解できる人なんていないわけですよ。
良いUI/UXのために深淵で高邁な理論や手法が採用されることもあるのに、フォーム入力の文字種に関しては、なんでこんな異常な使いにくさを放置するのかな? ノーマン先生もニールセン博士も、こんなことは指摘しないから?