cp, mvコマンドとcopy, moveコマンドの微妙な違い：実例とまとめ

Unix/Linuxのcp, mvコマンドとDOS/Windowsのcopy, moveコマンドはほぼ同じ機能を持ちますが、少し違いがあります。両方使っていると混乱することがあります。Unix系コマンドcp, mvのほうを基準として考えて、copy, moveがそれらとどう違うかを実例で示します。

実験の状況

2つのディレクトリ /tmp/foo/, /tmp/bar/ が既にあり、2つのファイル /tmp/foo/a.txt, /tmp/foo/b.txt もある状態。カレントディレクトリは /tmp/。

Unixコマンド cpとmv

コマンド	結果
cp foo/* bar	bar/a.txt と bar/b.txt が新たにできる
cp foo/* bar/	bar/a.txt と bar/b.txt が新たにできる
cp foo/* baz	エラー(1)
cp foo bar	エラー(2)
cp foo bar/	エラー(2)
cp foo/ bar/	エラー(2)
cp foo baz	エラー(2)

コマンド	結果
mv foo/* bar	foo/a.txt と foo/b.txt が bar/ の下に移動
mv foo/* bar/	foo/a.txt と foo/b.txt が bar/ の下に移動
mv foo/* baz	エラー(3)
mv foo/* baz/	エラー(3)
mv foo bar	foo/ とその中身が bar/ の下に移動
mv foo bar/	foo/ とその中身が bar/ の下に移動
mv foo/ bar/	foo/ とその中身が bar/ の下に移動

エラー(1)：

cp: target `baz' is not a directory

エラー(2)：

cp: omitting directory `foo'

エラー(3)：

mv: target `baz' is not a directory

Unixでは、ワイルドカード展開をシェルがするので、cp foo/* bar は、cp foo/a.txt foo/b.txt bar と同じです。複数のファイルのコピーは、コピー先がディレクトリ（場所）である必要があります。1つのファイルのコピーは、コピー先がファイル（もの）でもディレクトリ（場所）でもOKです。

昔は、ディレクトリをファイルにコピーできました。コピー先は単なるバイナリファイルになったと思います（記憶が薄れているが）。今は、ディレクトリそのものをコピー対象にはしないんですね。

DOSコマンド copyとmove

Unixと動作が同じとみなしていいときは○、そうでないときは×で示します。どちらもエラーであっても、エラーの意味合いが違えば×です。△はけっこう似てるってこと。

コマンド	結果
copy foo\* bar	○
copy foo\* bar\	○
copy foo\* baz	× ファイル baz ができる。cat foo/* > baz と同じ
copy foo bar	× bar\a.txt と bar\b.txt が新たにできる
copy foo bar\	× bar\a.txt と bar\b.txt が新たにできる
copy foo\ bar\	× bar\a.txt と bar\b.txt が新たにできる
copy foo baz	× ファイル baz ができる。cat foo/* > baz と同じ
copy foo baz\	× エラー(A)

コマンド	結果
move foo\* bar	○
move foo\* bar\	○
move foo\* baz	△ エラー(B)
move foo\* baz\	△ エラー(B)
move foo bar	○
move foo bar\	○
move foo\ bar\	× エラー(c)

エラー(A)：

foo\a.txt

指定されたパスが見つかりません。

foo\b.txt

指定されたパスが見つかりません。

        0 個のファイルをコピーしました。

エラー(B)：

C:\tmp\tmp>move foo\* baz

複数のファイルを 1 つのファイルに移動することはできません。

エラー(C)：

C:\tmp\tmp>move foo\  bar\

指定されたファイルが見つかりません。

copy foo bar と、bazが存在しないときの copy foo\* baz が要注意ですね。move foo\ bar\ はなんか意味不明。