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死んだ父親がマスコミを信用しなかったこと

お盆は帰省して父親の墓参りをした。父は2003年に79歳(80歳目前)で亡くなった。父親はマスコミの報道を信じないほうで、死の直前、意識朦朧、錯乱したような状態で「新聞だって誤報があるからな、騙されるな」とウワゴトのように言っていた。解釈可能な言葉を発したのはそれが最後だったので、僕は遺言のように思っている。

なんで父は新聞やテレビに懐疑的だったのだろう? -- そんなことはあんまり考えたこともなかった。先日・8月12日の夜に、 NHKで「爆笑問題の“戦争”入門」という番組があった。それを斜めに見ていたら「大本営発表」の場面がチラリと出ていた。負け戦を「勝ち進んでいる」と報道していたわけだ。そういえば、父親がそのことを話したことが一、二度あった。「普通に考えれば負けていることは分かるよ。俺も分かっていたけど、口には出せなかった。」

今となってはホントのところは分からないが、僕の父親は、大本営発表の嘘が強く印象に刻み込まれて、「マスコミは嘘をつく」と最期まで想い続けたのかもしれない。