まったくひどい状況ですが; 昨日(日曜)書いた事と似たような話をもう一度します。
現状では、テレビ放送は情報を提供するための報道番組が圧倒的です。しかし、報道が「必要なことの全て」ではない、と思うのです。と言うと不謹慎に聞こえるでしょうが、報道を否定するものではなくて、必要な報道を圧迫しないことを前提としての話です。
子供向けアニメやヒーローものは子供たちに必要です。1回なら「ガマンしなさい」で済むでしょうが、できるかぎり早く平常に戻して欲しいです。ウチの子たちは子供番組を必要としない年齢になりました。ですが、あの津波の映像は怖すぎます。次男などは、やはり恐怖を感じて萎縮しているようです。今のウチの子たちはサッカー中継とお笑い番組を欲しています。
サッカー選手は多くの子供たちの夢です。お笑い芸人も、ウチの子たちにはヒーローでありあこがれの存在です。スポーツ選手や芸人さんたちは、彼・彼女たち本来のパフォーマンスにより被災者の方々を含む多くの人々を励ましたり慰めることができるでしょう。それが不謹慎だとは思えません。
- 作者: レオ・レオニ,谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 好学社
- 発売日: 1969/04/01
- メディア: 大型本
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どうも処分してしまったらしく今手元にないのですが、次のようなお話です。
冬に備えて、せっせと食料を集めて働く野ネズミたち。でも、フレデリックだけはじっとして動こうとしない。寒くて暗い冬の日のために「おひさまのひかり」を、灰色の冬のために「いろ」を、長い冬の間に話が尽きないように「ことば」を集めているんだ、と言うフレデリック。
やがて冬が来て、食料も尽きる。だが、フレデリックが集めておいたものは、尽きることなくみんなに楽しい時をもたらしてくれる。
絵本ナビにも詳しい紹介があります。
前半だけを読むと、「アリとキリギリス」を連想します*1。怠け者のフレデリックが冬には制裁を受けるのだろうか? と。しかしそうではなく、フレデリックは、夏のあいだに集めたひかり、いろ、ことばをみんなに与えます。フレデリックは詩人・芸術家のような存在です。ほんとに辛いときに、フレデリックの「芸」がみんなを救うのです。
詩人も芸人もスポーツ選手も、その本来のことを行うことで人々を救えるのだと思います。僕らの多くは、詩人/芸人/スポーツ選手のような特別な素質と能力を持っていません。でも、いつもと違う、慣れないこと/苦手なことを行うよりは、一番パフォーマンスを発揮できることを行うことで、お互いに助け合える可能性が高いように思えます。