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参照用 記事

滝沢カレンさんの言語芸術 その2

去年(2016年)の年末に書いたエントリー「滝沢カレンさんの言語芸術」にて:

滝沢カレンさんの変な日本語が2015年に評判になったようです。もうすぐ2017年ですけど。

事情をよく知らなかったので、このときの僕の印象は「2015年に評判になったらしいけど、一過性のプチブームだったんだろう」というものでした。ところが、2017年になっても滝沢カレンさんの快進撃は止まらないようです。

声に出して読みたい日本語』の著者・斎藤孝 明治大学教授は、滝沢カレンさんの大ファンらしく、彼女の言語センスを「天才的」「詩的」と絶賛しているとか。また、最近の『芸人ドラフト会議』なるテレビ番組の「自分がMCをやるときに使いたいタレント」として、女性タレントとしてはダントツの支持を集めていたようです。そして、Eテレの教育番組『NHK高校講座 ベーシック国語』の生徒役に起用されたそうです。NHKも随分とあざといキャスティングをしますね。

「あの変な日本語は、キャラを作るためにわざとやっているんじゃないか?」という疑惑があるそうです。僕は「それはない」と思います。通常の日本語を普通に使えて、それとは別にあの言語ワールドを自ら創造・構築し、それを自由に切り替えられる、としたら、それはもう掛け値なしの驚嘆すべき天才です。そこまでの突出した言語能力を持ち合わせている人間がいる可能性は低い気がするのです。

その滝沢カレンさんがインスタグラムをやっているのですが、あの日本語でかなり長文のコメントを付けていて、カレン語のファンにはたまりません。

最近のコメントから(文中の「なっちゃん」とは横澤夏子さんのことです):

本当になっちゃん(さん)の一文字一文字発する言葉に今にも踊れそうな自分にびっくりこきまろしつつも、話をどこかで、まだかまだかと聞かせてよと言いたくなるあのやり方、本当に素敵でした
[..snip..]
次のなっちゃん(さん)への嬉しみが高鳴る一日として今日の窓を閉めましょう... では、寝ます

通常日本語への翻訳はまったく無粋とは承知ながらも:

横澤夏子さんの一言一言、その発する言葉に今にも踊りだしそうな自分に、我ながら本当にびっくりしてしまいました。「話をもっともっと聞かせてよ」と言いたくなってしまうようなあの話し方、本当に素敵でした。
[..snip..]
次に横澤夏子さんに会えることへの期待で胸が高鳴るくらい、楽しい一日でした。そんな思いを抱いたまま今日が終わります。おやすみなさい。

「びっくりこきまろしつつ」とか「嬉しみが高鳴る一日」とかの意味が汲み取れてないし、肝心の語感が失われるのでダメです。カレン語は原語で読むべし。