実際のところ、特別に一般化する必要性は薄いですね、スピヴァック理論が既に十分に一般的に作られているので。
強いて一般化する点を挙げてみます。
アンビエント圏をSet以外に取り替えることは既にスピヴァックがやっているので、アンビエント圏は関手モデルのパラメータです。スキーマ全体の圏Schも色々と動かせるのでパラメータなんですが、今のところスピヴァックは Sch⊆Cat を仮定しているように見受けられます。
まー、スピヴァックが考えてないはずもないのですが、Sch(僕はドクトリンと呼んでます)を一般化する方向はあるでしょう。例えば、直積と終対象を持つ圏をデカルト圏と呼ぶことにして(人によっては等値核(イコライザー)も要求します)、小さいデカルト圏全体の圏をCarCatとしましょう。Sch⊆CarCat とすると、一般化したことになります。CarCatはCatの部分圏とは考えにくく、CarCat→Cat という忘却関手を持つだけと見るべきでしょう。
もうひとつ、有向グラフの制約(圏を生成するときの関係式)を与えるパス同値関係が等式的条件なのですが、これを不等式的条件にする一般化があります。アンビエント圏をPartial(部分写像の圏)、Rel(関係圏)などにとると、アンビエント圏の側に不等式が存在するので、制約条件にも不等式が書けないと不便です。
結局、たいした一般化ではないのですが:
- スキーマを単なる圏から構造を持つ圏に一般化する。
- 制約条件に等式だけでなく不等式も使えるようにする。