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参照用 記事

モノイド関手のデカルト性条件の候補

デカルト・モノイド関手は色々」で、デカルト・モノイド圏のあいだの関手が「デカルトである」ことは、状況依存で規準的・一意的な定義は無理だろう、と言いました。

色々な状況はあるでしょうが、ラックス対称モノイド関手に課す条件で、デカルト性条件の候補を挙げてみます。$`\newcommand{\lax}{\mathrm{lax}}
\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1} }
\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1} }
\newcommand{\id}{\mathrm{id}}
\newcommand{\In}{\text{ in }}
\newcommand{\C}{\mathop{;}}
\require{color}
\newcommand{\Keyword}[1]{ \textcolor{green}{\text{#1}} }%
\newcommand{\For}{\Keyword{For } }%
\newcommand{\Define}{\Keyword{Define } }%
\newcommand{\Where}{\Keyword{Where } }%
%`$

ラックス・モノイド関手のラックス乗法〈ラクセイター〉とラックス単位が埋め込みになっていて、対応する射影が存在する、という条件を考えます。単に埋め込み・射影〈Embedding-Projection〉ペアではちっともデカルト的ではないので、埋め込みに対する射影がデカルト構造で定義されることになります。

$`\quad (F, \nu, \iota): \cat{C} \to \cat{D} \In {\bf SymMonCat}^\mrm{lax}`$

であり、対称モノイド圏 $`\cat{C}, \cat{D}`$ はデカルト構造を持つとします。デカルト構造は $`\Delta, !`$ で表します。

当該の条件は次のように書けます。

$`\For A, B \in |\cat{C}|\\
\quad \nu_{A, B} \C \delta_{A, B} = \id_{F(A\otimes B)}
\: : F(A\otimes B) \to F(A \otimes B) \In \cat{D}\\
\quad \iota \C !_{F(I)} = \id_I
\: : I \to I \In \cat{D}\\
\Where\\
\quad \delta_{A,B} := \Delta_{F(A\otimes B)}; (F(\pi^1_{A, B}) \otimes F(\pi^2_{A, B}))
`$

もうひとつ、似てるけど少し違う条件を挙げます。

$`\For A \in |\cat{C}|\\
\quad \Delta_{F(A)} \C \nu_{A, A} = F(\Delta_A)
\: : F(A) \to F(A\otimes A) \In \cat{D}
`$

これらの条件だけを見ていても事情は分からず、他の条件とどう絡み合うかで条件の妥当性や適用範囲が明らかになると思います。今日は、とりあえず提示。