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参照用 記事

ユーザーインターフェースは難しい:依存関係がある設定項目をどう取り扱うべきか

何度か書いたように、12月にコンピュータがクラッシュしたので、ソフトウェアもインストールからやり直してます。Firefoxもインストールしてまっさらの状態から使い始めました。が、僕はコンピュータの電源をつけっぱなしでソフトウェアを終了しないので、Firefoxの起動と終了をひと月以上も経験しなかったのです ^^;。

今日になってFirefoxの終了と起動をしてビックリしたことがあります。

Firefoxの「終了」を選ぶと、「(ウィンドウとタブの)状態を保存するか?」と聞いてきたのでYESと答えて終了。次に起動してみると、もとのウィンドウ/タブが全然再現されないのです -- エーッ、なんてこったい! 再現のために状態を保存したはずでしょ。

実は、オプションの設定で、起動時の処理を次のなかから選べます:

  1. ホームページを表示する
  2. 空白ページを表示する
  3. 前回終了時のウィンドウとタブを表示する

これが、「ホームページを表示する」になっていたので、ウィンドウ/タブが再現したかったのです。「前回終了時のウィンドウとタブを表示する」にセットしてみると、… … なんとそれでも再現しない。

firefox の終了時に履歴を消去する」という設定項目が別にあって、なぜかこれがONになっていました*1。どうやら、「履歴を消去する」には、終了時のウィンドウ/タブ状態も消去することが含まれているようです。

僕が困惑してしまったのは、次のような勝手な推測をしたからです。

  • 終了時の状態を保存しろと指示したのだから、次の起動で状態が再現されるに違いない。
  • 前回終了時状態を再現するように設定したのだから、状態は保存されるに違いない。

「勝手な推測」と書きましたが、別に変な論理を使ってはいないと思います。問題は、指示(終了時ダイアログに答える)や設定項目(オプション設定)があり、それらが独立(直交)ではなく、因果関係を連想させてしまうことです。ユーザー(人間)の気持ちとしては、「項目AをONに設定したのだから、項目Bは自動的にOFFになるだろう」のような前提や期待を持ってしまいます。しかし、ソフトウェアは独立した項目として扱っているので、齟齬<そご>が生じます。

かといって、ある設定の影響により他の設定が勝手に書き換わるのも、やり過ぎれば混乱を引き起こします。一般論としてはトレードオフが難しいでしょう。今回のFirefoxの事例では、次のことをユーザーに知らせるべきだと思います。

  • 終了時ダイアログに状態を保存すると答えても、次回に状態は再現されないこと。
  • 状態を再現すると設定しても、(状態が保存されないので)次回に状態は再現されないこと。

毎度「ユーザーインターフェースは難しい」と感じる*2のですが、それは、「ユーザーがどのような前提や習慣を持っているのか」「どのような推測や期待をするのか」を確信を持って予想できないからです。上記の件で僕は、かなり混乱したし、非常にわかりにくいなーと感じました。が、この感覚が万人のものである自信はありません。

*1:これがFirefoxのデフォルトでしょうか? そうでないとすると、僕がオプション設定をいじっているときにミスでONにしてしまったのでしょう。

*2:ここで言っているユーザーインターフェースは、単に画面のビジュアルデザインではなくて、人間の一連の行為に対して、、ソフトウェアがどのように反応するか、ということです。