7月20日に、id:hiroki_fさん(a.k.a. ジョニー)から次のようなメールが来ました。
C++闇の軍団の高橋晶さんから、『プログラミングの魔導書 vol.1 「Construct the World C++」』のpdfが送られてきました。出版前にブログで紹介とかしてくれませんか?
僕もレビュー頼まれたんですけど、専門外なんで突っ込んだことは言えないですよね。応援してはいるんですけど。
いただいたPDFをざっと眺めてホホーと思ったんですが、なにも書かないで今日に至る。そしたら、もう [プログラミングの魔導書 まもなく予約締切] という状況でして、「皆さん早いとこ予約しましょう」と叫んでおきます。
既に次のようなレビューが出ています。
- プログラミングの魔導書 / Vol.1 Construct the World, C++ - 北海道苫小牧市出身の初老PGが書くブログ
- プログラミングの魔導書 / Vol.1 Construct the World, C++ - hiroki_fの日記
- 「プログラミングの魔導書」創刊号レビュー - 星一の日記
さらに、次の記事からもっと他もたどることができます。
ジョニーは「専門外なんで」と言ってますが、僕もC++はほぼ専門外。『魔導書』冒頭のStroustrupのインタビュー記事に曰く:
- 多くの者は、1980年代後半のC++の知識から、進歩していないのだ。
ヘヘヘヘー(苦笑)、僕はこのクチです。「僕は、オブジェクトもthisもサッパリ理解できなかった」に書いたように、僕が知っているのはAT&Tが配っていたcfrontトランスレータの時代ですからね*1。
たまたま、ほんとにたまたま、当時の資料が露出していたので、スキャンしてみました。
- タイトル: C++ Programming Language
- 著者: Bjarne Stroustrup
- 所属: AT&T Bell Laboratories
1985年です。1Q84の翌年。
斜めにスキャンしてしまった目次。
昔話してもしょうがないので、『魔導書』について一言いいたいんですが、たいていのことは他の方が既に言及なさってますね。んで繰り返しになりますが、冒頭の Bjarne Stroustrup へのインタビュー(インタビュアーは江添亮さん)、これ面白いですよ、ほんとに。Stroustrupって、誰に聞いても正確な発音がハッキリしないのですが、強いてカタカナ書きするなら、ビャーネ・ストロストォプ だという情報があって、カタカナ書きしたい僕にはありがたいです -- ささいなことながら。
そのストロストォプの一人称がなぜか「ワシ」なのは笑えます。インタビューを読み終わることには、ストロストォプは「ワシ」と言っているに違いない、と思えてきます。プログラミング言語の話だけでなく、英語のこととかパラダイムのこととか教育のこととか、、、、「皆さん早いとこ予約しましょう」。
id:melponさんの型システムの話; 別な物理量(例えば、時間と長さ)を別な型にするのは当然と思いますが、単位が異なると別な型なの? とも思ったんですが、実世界のモデルとしては、別な計量枠(基底とか座標)とかを取ると、別な量とみなしたほうがいいときもあるなー、と考えさせられる、つうか考えてみたくなるような記事でした。実は、「対角コモノイド上の余加群と古典観測」のようなことにも関係するかも。
id:faith_and_braveさんのオーブンの話; 「並んだモノ達」という概念を、実用性や効率性を維持しながら抽象化すると、アーこうなるのかぁー、って、その経緯を堪能できまっせ。「オーブンが並んでいるって、そりゃなんだ?」って、、、、 知りたいなら「皆さん早いとこ予約しましょう」。
ともかくも、(手垢がついた陳腐なセリフだが、あえて)豪華執筆陣で内容充実。それと同時に『魔導書』には、別な意義もあります。それは、梶本さんの巻頭言に示唆されています。どういうことかと言うと、新しい形の出版の端緒を開くかもしれないことです。
梶本さんの目論見とは; ブログなどの媒体で、内容の濃い情報を提供している人は多いが、「まとめて読みたい」、「系統的に読みたい」という要求には必ずしも応えられていない。一方で、従来の書籍ではタイムリーに出すことが難しい。そこで不定期刊行の雑誌、しかも電子的媒体も利用した出版という形態となるわけです。
この形態で続けるのはなかなか大変だろうなーとも思いますが、次も期待しています。