二重圏に関する用語は、「二重圏、縦横をもう一度」を見てください。2-圏の図式順演算子記号は次のようにします。
- 1-射の結合と2-射の横結合 : $`*`$(アスタリスク)
- 2-射の縦結合 : $`;`$(セミコロン)
- 1-射と2-射のヒゲ結合〈whiskering〉: $`*`$(アスタリスク)
$`\newcommand{\cat}[1]{\mathcal{#1}}\cat{K}`$ が2-圏のとき、$`\cat{K}`$ からのクインテット構成〈quintet construction〉で、二重圏 $`\newcommand{\mrm}[1]{\mathrm{#1}}\mrm{Q}(\cat{K})`$ を作り出せます。このとき、2-射の向きが逆転するので注意が必要です。
$`\newcommand{\dblcat}[1]{\mathbb{#1}}\dblcat{D} := \mrm{Q}(\cat{K})`$ とします。$`\dblcat{D}`$ は次のような二重圏です。
- 対象〈0-射〉は、$`\cat{K}`$ の対象である。
- タイト射(0階の圏の射)は、$`\cat{K}`$ の射である。
- プロ射(1階の圏の対象)も、$`\cat{K}`$ の射である。
- 2-射〈二重射〉(1階の圏の射)は、$`\cat{K}`$ のクインテットである。
$`\cat{K}`$ のクインテット〈quintet | 五人組〉は次の図式で表現できます。
$`\newcommand{\In}{\text{ in }}
\newcommand{\twoto}{\Rightarrow}
\quad \xymatrix{
{}
& \cdot \ar[dr]^g
& {}
\\
\cdot \ar[ur]^p \ar[dr]_f
&{}
&\cdot
\\
{}
& \cdot \ar[ur]_q
\ar@{}[uu]|{\alpha\, \Uparrow\:}
& {}
}\\
\quad \In \cat{K}
`$
1-射の図式順結合はアスタリスク(冒頭の約束)としてテキストで書けば:
$`\quad \alpha :: f*q \twoto p*g \In \cat{K}`$
これを、二重圏の2-射としては次のように解釈します。
$`\quad \xymatrix{
\cdot \ar@{-->}[r]^{p} \ar[d]_f
\ar@{}[dr]|{\alpha \,\Downarrow\:}
& \cdot \ar[d]^g
\\
\cdot \ar@{-->}[r]_{q}
& \cdot
}\\
\quad \In \dblcat{D}
`$
「添加仮想二重圏」で導入したフレーム〈プロファイル〉の記法を使ってテキストで書けば:
$`\quad \alpha :: f[p \twoto q]g \In \dblcat{D}`$
2-射の向きが上下逆転しているのは、「そう約束しているからそうなる」と言えば、まーソレダケの話なんですけどね。
もうひとつのクインテットが、
$`\quad \beta :: h*r \twoto q * k \In \cat{K}`$
だとすると、クインテットの結合は $`\cat{K}`$ 内で次のように図示できます。
$`\quad \xymatrix{
% 1
{}
& \cdot \ar[dr]^g
& {}
& {}
\\ % 2
\cdot \ar[ur]^p \ar[dr]_f
& {}
& \cdot \ar[dr]^k
& {}
\\ % 3
{}
& \cdot \ar[ur]|q \ar[dr]_h
\ar@{}[uu]|{\alpha\, \Uparrow\:}
& {}
& \cdot
\\ % 4
{}
& {}
& \cdot \ar[ur]_r
\ar@{}[uu]|{\beta\, \Uparrow\:}
& {}
}\\
\quad \In \cat{K}
`$
冒頭で約束した演算子記号を使ってテキストで書けば:
$`\quad (f*\beta); (\alpha * k) :: f*(h *r) \twoto (p * g)* k \In \cat{K}`$
$`\dblcat{D} := \mrm{Q}(\cat{K})`$ 内での解釈は次のようになります。
$`\quad \xymatrix{
\cdot \ar@{-->}[r]^{p} \ar[d]_f
\ar@{}[dr]|{\alpha \,\Downarrow\:}
& \cdot \ar[d]^g
\\
\cdot \ar@{-->}[r]|{q} \ar[d]_h
\ar@{}[dr]|{\beta \,\Downarrow\:}
& \cdot \ar[d]^k
\\
\cdot \ar@{-->}[r]_{r}
& \cdot
}\\
\quad \In \dblcat{D}
`$
フレーム記法のテキストで書けば:
$`\quad \alpha;\beta :: (f;h)[p \twoto r](g;k) \In \dblcat{D}`$