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参照用 記事

レトラクションの起源(かな?)

レトラクション(retraction)やベキ等自己射(idempotent endomorphism)の典型例つうか起源は、図形の引き込み変形のような気がします。いやっ、気がするだけでほんとのところは知らないけど。まーとにかく、絵を描いておきます。

平面をPとして、普通の座標を入れてR2と同一視しておきます。D = {(x, y)∈P | x2 + x2 ≦ 1}は円板。Pの部分集合である円板Dはそのままにして、円板の外側を境界円周に押し込めるような変形(連続写像)を作ります。

円周を“折り目”として、円板の外側を持ち上げて、最終的に底面付きの円筒を作ります。平面における放射状の半直線達が、円筒の柱面(まるい側面)を構成します。円筒を真上からドガッベシャッ!とつぶします。

以上の操作(連続写像)を、P→Dと考えたものをr1, P→Pと考えたものをr2、またD→Pの包含写像をiとすると:

  • i;r1 = idD (レトラクト性)
  • r1;i = r2
  • r2;r2 = idP r2(ベキ等性)

などが成立します。

連続性が必要ないならもっと簡単で、Dの任意の一点(例えば原点)を選んで、Dの外側は全部その一点に写してしまう(1点に引き込む)写像が使えます。これは一点レトラクトで、やはりレトラクト性やベキ等性が成立します。