中さんの「結論」は、さらに興味深い面があって、いったん当該の(レベル0の)議論をレベル1で無意味化しているようにもみえますが、すぐさまレベル0の別なテーマを提示し、さらにその別なテーマの結論までも述べているのです。
別なテーマとは、「(技術者は)言語を1つ2つ使えるだけでいいのか」であり、それに対する主張は「5言語、20テクノロジーくらい…」となるわけです。
「言語を1つ2つ使えるだけでいいのか→5言語、20テクノロジーくらい…」という展開が文章の最後に位置することにより、これが“全体としてのテーマ”と“全体としての(中さんの)最終結論”であるかのごとき印象を与えています。
つまり、議論の枠組みを疑うレベル1に上昇したように見えて、すぐさま別な地点に下降着地してしまい、もとの土俵とは異なる場所において最後の主張をなしています。この最後の主張がアピーリングであり、かなり(ほとんど?)の人が共感・賛同する、という構図ですね。
(続く)