今年2012年のあいだに書いておきたい記事があります。それが表題のごとき記事です。
2008年に「個人デジタル出版で儲け、られそうにない」という記事を書きました。そして2010年に「個人デジタル出版で儲け、られそうにない 2010年春・編」を書いたのです。2008年, 2010年と書いているのだから、やっぱり2012 年もこのネタで一本欲しいな、と。
実は、2008, 2010, 2012 という数列を揃えるのがホントの目的ってわけではなくて、個人デジタル出版のことは本気でずっと考えていることです。4年前の記事で、デジタルな出版物(電子書籍)に要求する条件として次を挙げました。
- 特殊なビューワーを必要としない。
- いくらでもコピーできる/印刷できる。
- 無闇と高くない。
- 立ち読み可能。
- レビュー、フィードバックができる/見れる。
- バージョンアップ/メンテナンス付き。
あれから4年もたったので、状況は改善されたか? というと、そうでもないですね。
EPUBフォーマットが策定されたことはとても良いニュースですが、期待したほどには普及してません。この感想は「期待」の程度との相対的なものですが、僕としては、EPUBの閲覧と編集の環境がもう少し整備されて欲しいなー。
Kindleダイレクト・パブリッシングの登場は画期的な事のようにも思えましたが、上記の僕の要求からすると、あまりふさわしいものとも思えません。レビュー/フィードバック/バージョンアップ/メンテナンスなどに関する考慮があまりないように感じます。
Amazonのチャンネルを使うより、個人または個人の集まりで出版サイトを立ち上げたほうがいいのかな? と。この際に問題となる事として、4年前に次のように指摘しました。
それより当面の問題は課金・決済のほうです。
これは最大の問題です。少額決済としては、僕はPayPalに期待してましたし、実際PayPalは少額決済サービスを提供してますが、これも期待したほどには普及してない。現状でもPayPalを利用できますが、PayPal決済だけ準備すればOKという感じはしないですね。2010年の情報ですが「Paypalは実はまだ日本に『来ていない』 ? その根拠と裏事情とは」によると、日本にはPayPal普及を阻害する要因があるようです。
4年前に「儲け、られそうにない」とタイトル付けたのは、いずれは状況が改善して「個人デジタル出版で儲け、られる」となる期待感を含めていたのですが、2012年の暮でも「儲け、られそうにない」。2013年は時代が動いてくれるといいんですけどね。