母はまだ生きている。僕は上の兄弟と年が離れた末っ子で、その僕が既に初老のジイサン。だから当然、母は高齢だ。現在90歳。もうすぐ91歳。
90歳の母は姿は、ほんとうに老婆で今にも死にそうに見える。話もあんまり通じないことがある。ところが、その母がボケ防止にやっているという問題のひとつが下の写真だ。
小学生の算数問題のようだが、老人用に作られたものらしい。絵と数値のマッピングテーブルが与えられ、そのマッピングに従い「絵→数値」と変換する。さらに変換後の数値達の総和を求める問題だ。
全問正解している、驚いた。「計算はどうやったの？」と聞くと、「ソロバンがないから、暗算だよ」と言っていた。
もうひとつ。
これは迷路の問題。三番目はけっこう難しいと思う。消して書き直した跡がないので、目視か指でなぞるかして正解を得てから記入したのだろう。
母はこういう問題をやりたがらない、シンドイからいやなのだ。しぶしぶやるらしいが、「やるんだったら正解したい」というプライド(?)はあるようだ。既にボケてしまっているように見える母にこんな能力があるとは。本気で「おカーチャン、すごいね、すごいよ」と。
自分が90歳まで生きることは、サッパリ想像できないが、それ相応にヨボヨボになったとして、この問題が解けるのだろうか？ 解く気力があるのだろうか？ そう考えると全然自信がない。母親を尊敬しなかった自分だが、今回は心底「すごい」と思った。まったくかなわない！
