今って、2020年ですよね。6,7年前の2013年, 2014年に、「Webフォームが使いにくい」と文句をたれてたのですが、2020年の現在ならば、さすがにそんな酷いことはないだろう -- そう期待しますよね。だって、僕が指摘した問題点は、ごく簡単に修正できることですから。
2013年, 2014年の過去記事とは:
- 2013年5月: Web上で発生する膨大な量の不愉快と困惑
- 2013年12月: 「全角ハイフンはダメ、全角マイナスならOK」と言われた、なんのこっちゃ?
- 2013年12月: フォームの住所入力からUnicodeの文字談義になるって、その状況は変でしょ
- 2014年8月: 住所に英字は使えない、ってそれ
Webフォームに入力する文字や記号に無意味な制約が付いていてエラーを起こしてやり直しを要求されるのがストレスだ、腹が立つ、って話です。
先日(2020年のことです)、郵便の再配達をWebフォームからお願いしました。まず最初は追跡番号(お問い合わせ番号)の入力。追跡番号は、123-45-67890-1 のようなフォーマットです。このとき、「空白もハイフンも入れずに半角数字だけで入力せよ」というご指示。
なんで? なんで空白・ハイフンがダメなの。不在連絡票には 123-45-67890-1 のフォーマットで印字されてるのに、なんで区切りをいれちゃダメなの? 目視での読みやすさのために、3桁-2桁-5桁-1桁 と印字されていると思うんだけど、Webフォームでは、読みにくい/確認しにくい11桁ベタ入力なの?
技術的に難しいですか? 空白・ハイフンを取り除くプログラムって、6千行くらいのコードだっけ? もう少し短く書けると思いますが。
… と思ったけど、おとなしく指示に従って全てのフィールドに入力してサブミットすると:
- ** 番地・部屋名に受付できない文字が入力されました。ご確認の上、訂正してください。
ハァーー?! 別に変な文字なんて入れてないよ。数字が入ってるけど -- たぶん全角じゃないとダメとかだろうな。フィールド名「番地・部屋名」は教えてくれるんですが、どの文字が「受付できない文字」かは教えてくれないので推測するしかありません。
全角数字に修正してもエラーだったんですが、「番地・部屋名」フィールドがオプショナルと気づいて入力を全部削除して成功しました。「受付できない文字」を確認すればよかったけど、心の余裕がなくて … おそらくハイフン文字だったのでしょう。
ハイフン文字には以前苦しめられました。必須入力フィールドで「全角マイナス」と呼ばれる文字以外認めない、という仕様のフォームがありまして。Unicode文字で「ハイフン」に見えるものはたくさんあるんだけど。
名前 | 文字番号(コードポイント) | 実際の形 |
---|---|---|
HYPHEN-MINUS | U+002D | - |
FULLWIDTH HYPHEN-MINUS | U+FF0D | - |
HYPHEN | U+2010 | ‐ |
MINUS SIGN | U+2212 | − |
KATAKANA-HIRAGANA PROLONGED SOUND MARK | U+30FC | ー |
HORIZONTAL BAR | U+2015 | ― |
FIGURE DASH | U+2012 | ‒ |
EN DASH | U+2013 | – |
EM DASH | U+2014 | — |
- 教訓: 「Web技術の進歩やUIの改善は速い」には例外もある。